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水稲葉枯症の発症要因の究明と軽減対策技術の開発(平成 19年度)
Clarification of Rice Dieback Causes and Development of Mitigation Technology

予算区分
BC 環境-公害一括
研究課題コード
0608BC597
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
水稲葉枯症,酸性霧,ストレス診断指標
キーワード(英語)
DIEBACK OF RICE LEAF, ACID FOG, STRESS DIAGNOSTIC INDEX

研究概要

長崎県では、北部高標高地帯の水田において、水稲葉身の葉縁部が枯死する葉枯症が発生し、米の収量・品質の低下をきたすことから、現地の水稲生産農家の間ではこれまでに大きな問題となってきた。気象条件、大気汚染条件、水稲葉条件からの原因究明と葉枯症発生による被害を最小限に抑えるための防止対策技術を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

被害現地における水稲葉の状態、気象条件および酸性霧、粒子状物質等の大気環境を把握し、相互の関連性を解析する(18〜20年度)。酸性霧暴露システムを開発し(18年度)、これを用いて暴露実験を行い、水稲被害原因の特定とそれに及ぼす環境要因の影響を明らかにする(19〜20年度)。現地気象条件下における水稲葉身内ストレス成分、遺伝子発現の追跡と葉枯症発生の予察を行い、ストレス診断指標を検討する(18〜20年度)。また、現地での定着性や品質に優れる葉枯症耐性イネ品種選抜のための基礎情報を得る(19〜20年度)。

今年度の研究概要

長崎県北部高標高地帯水田の水稲葉枯症の原因を明らかにするため、被害現地および対照地における水稲の可視傷害や生育状態、酸性霧やエアロゾル等の大気環境、光強度や温湿度等の気象環境、水質環境等を連続的に計測し、相互関係を解析する。また、両地域から定期的に水稲葉を採取し、ストレス成分の分析を行い、環境条件との関連性や水稲品種間のストレス応答性の差等を解析する。一方、酸性霧暴露システムを用いた実験を行い、感受性の異なる水稲の可視傷害と霧pH等との関係を解析する。さらに、現地のまた実験に用いた水稲の被害/対照葉からRNAを抽出し、マイクロアレイを用いた遺伝子発現解析を行い、ストレス要因の推定を試みる。

備考

長崎県環境保健研究センター(森淳子・藤哲士)・長崎県総合農林試験場(渡邉大治・藤山正史・土谷大輔)・中央農業総合研究センター(藤原伸介)

関連する研究課題
  • : アジア自然共生研究グループにおける研究活動

課題代表者

清水 英幸

担当者

  • 佐治 光
  • 伊藤 祥子
  • 矢ヶ崎 泰海