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神経幹細胞に対する環境化学物質の影響評価法の確立(平成 18年度)
The evaluation of effects of environmental chemicals on neural stem cells

予算区分
AF 奨励
研究課題コード
0607AF973
開始/終了年度
2006~2007年
キーワード(日本語)
神経幹細胞,環境化学物質,分化
キーワード(英語)
neural stem cell, environmental chemicals, differentiation

研究概要

環境化学物質には、新生児ラットに曝露すると行動を司る黒質ドーパミン作動性ニューロンの発達を障害し、若年期に多動を引き起こすものがある。成体ほ乳動物の中枢神経系では神経新生は起こらないとされていたが、近年脳室下層と海馬に神経幹細胞の存在が報告されたことから我々は環境化学物質の標的部位のひとつである黒質を含む中脳に着目し、予備実験から神経幹細胞の存在を見出した。多くの化学物質の神経毒性評価には、標的部位に特化した影響評価系の構築が重要であり、中脳由来神経幹細胞の効率的な培養分化系の確立を目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本研究では、中脳由来の神経幹細胞の効率的かつ安定な培養系を確立し、化学物質、ひいては環境化学物質の神経毒性、特に神経発生・分化・再生に対する影響評価を可能にするために以下の実験を行う。
(1) 神経幹細胞の単離・培養法の検討
 脳室下層から単離した幹細胞は、増殖因子のEGFやbFGFを含む無血清培地でニューロスフィアと呼ばれる細胞塊を形成して浮遊すると報告されている。これを応用して、ラット中脳から神経幹細胞画分を分離し、培養を試みる。また、細胞の採取時期についても検討する。
(2) 中脳神経幹細胞の増殖・分化における基礎的データの蓄積
 中脳由来神経幹細胞に対する基礎データを収集する。未分化・分化の同定は、各細胞に特異的なマーカー蛋白質の発現を調べることにより行う。さらにマイクロアレイを用いて網羅的な遺伝子発現を解析し、特異的な遺伝子発現に対しては、リアルタイム-PCRで確認をする。

今年度の研究概要

行動を司るドーパミン作動性ニューロンは、中脳の黒質に存在する。環境化学物質の標的部位の一つとして考えられる中脳に着目し、神経幹細胞の増殖・分化に対する環境化学物質の影響を評価するためにラット中脳より神経幹細胞を効率よく採取し、増殖・分化させる方法を確立する。

関連する研究課題
  • 0 : 重点3環境リスク研究プログラムに係わるその他の活動

課題代表者

鈴木 純子

担当者