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小笠原諸島における固有水生生物の保全手法についての研究(平成 18年度)
Conservation of freshwater and blackish water benthic invertebrates endemic to the Bonin Islands

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
0507CD539
開始/終了年度
2005~2007年
キーワード(日本語)
固有種,小笠原諸島,保全
キーワード(英語)
ENDEMIC SPECIES, BONIN ISLANDS, CONSERVATION

研究概要

小笠原諸島の陸水域に生息している固有水生生物について分類学や生態学などの観点から研究を行ない,その結果をこれら固有水生生物の保全策に資することを目的としている。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

2005年度は,父島と母島の陸水域で水生生物の分布調査を行い,陸水エビなど甲殻類,ユスリカ類など双翅目昆虫,そしてトビケラ類などについて必要に応じて分類学的研究を行う。それぞれの生物種について調査結果をとりまとめ,文献調査などより得られる過去の分布を参考にして,水生生物レッドリストを作成する。
2006年度は,父島および母島の調査とあわせて兄島や弟島など水系の発達している属島を新たな調査地域に加えて水生生物の分布調査を行う。また小笠原諸島のなかでも島嶼間や島嶼内で遺伝的に異なる集団を形成している場合を想定し,集団遺伝学的な比較を行う。
2007年度はとりまとめを中心として,補足的な調査を行う。

今年度の研究概要

小笠原諸島のなかで兄島・弟島など水系の発達している属島を新たな調査地域に加えて水生生物の分布調査を行い,これまでの調査データとあわせて,固有水生生物の分布地域についてとりまとめる。また,甲殻類や水生昆虫については昨年度に引き続き分類学的な研究を慎重にすすめる。これらの甲殻類や水棲昆虫について,他地域の集団との遺伝的距離や分岐年代を推定するなど計画しているが,現地調査によりさらにサンプルを採りたす。必要に応じて集団遺伝学的な比較を行う。昨年度に設置した温度ロガーについては,回収してそのデータを解析し,固有水生生物が多数生息する地域と人為的な環境改変のおよんでいる地域との環境要因の変動を比較し,固有水生生物の生息環境の特徴を把握する。また,昨年度に作成した水生生物に関する基礎資料の改訂作業を行う。複数の分類群について近年の分布調査の結果をとりまとめ,1998〜2000年の観察記録や調査結果と比較したうえで減少傾向などを把握し,小笠原諸島の水生生物レッドリストを作成にあたって基礎となる資料にする。

備考

共同研究者:倉西良一(千葉県立中央博物館)

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動(生物圏環境研究領域)

課題代表者

佐竹 潔

担当者