- 予算区分
- AE 経常
- 研究課題コード
- 0308AE591
- 開始/終了年度
- 2003~2008年
- キーワード(日本語)
- 気候感度,大気海洋結合モデル
- キーワード(英語)
- CLIMATE SENSITIVITY, ATMOSPHERE-OCEAN COUPLED MODEL
研究概要
地球温暖化に対する適応策等を検討する上で、温室効果気体の増加に対する大気海洋結合系の応答を定量的に把握することが重要となる。しかし、数値気候モデルを用いた温暖化実験では気温上昇の幅がモデルの種類により有意にばらつく現状にある。そこで本研究では、温室効果気体増加に対するモデル気温の応答幅(気候感度)を決定するメカニズムについて理解を深め、気候変動見通しの精度向上に寄与することを目標とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
まず数値気候モデルの中で気候感度への影響が大きいと指摘されている大規模凝結過程に注目する。大規模凝結過程を不確定性の範囲内で変更して温暖化実験を行い、加えた変更が気候感度に及ぼす影響を確認する(15年度)。
次に大規模凝結過程の変更がモデル気候感度に影響を及ぼす仕組みを、中/高緯度域に注目した解析を通して明らかにする(15〜16年度)。
大規模凝結過程の変更で注目する領域を中/高緯度から亜熱帯境界層に移し、温暖化に伴う境界層雲減少が気候感度を高める仕組みを記述する(17年度)。
上記と同様の作業を積雲対流、鉛直拡散、海氷など他の物理過程に応用する(18年度〜20年度)。
今年度の研究概要
CCSR/NIESモデル中で、亜熱帯境界層雲が温暖化に伴い減少する仕組みを明らかにすべく数値実験を行う。まず、雲水収支を定量的に把握することで雲水減少に寄与するプロセスを特定する。次に、大規模凝結過程における雲量の表現方法により境界層雲の応答がどう変わるか調査する。
- 関連する研究課題
- : 関連P6 温暖化の危険な水準と安定化経路の解明
課題代表者
小倉 知夫
- 地球システム領域
気候モデリング・解析研究室 - 室長(研究)
- 理学博士
- 物理学,コンピュータ科学,地学