ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

塩湿地における植生とその決定要因(平成 17年度)
The principal determinants of plant distribution in salt marsh

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0505AE841
開始/終了年度
2005~2005年
キーワード(日本語)
塩湿地, 塩性植物, 帯状分布, 感潮域, 干潟, ヨシ原
キーワード(英語)
SALT MARSH, HALOPHYTES, ZONATION, ESTUALY, TIDAL FLAT, REED MARSH

研究概要

千葉県木更津市にある小櫃川河口湿地は東京湾最大の干潟であり、数少ない日本の典型的な円弧状の三角州である。全国の塩湿地における植物群落は、もともと生息地環境が限られていたのに加え、近年の海岸地域の開発事業により姿を消している。残された塩湿地性植物の生活史を知ることは、植物群落とその環境傾度の関係を基本的に考える上での手引きとなるとともに、現存する湿地生態系の重要性を知る手がかりともなる。そこで、本研究では、実際の塩湿地環境における植物の分布とその決定要因について、群落生態学及び実験生態学的な観点から研究を行うことを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

小櫃川河口塩湿地の限られた狭い地域に種が豊富で、地形と植生分布がはっきりしており、環境傾度が明瞭であると思われる中洲において、潮汐の影響を常に受け続けながらも群落を形成する塩湿地性植物群落に注目する。上記の現存植生における冠水の影響や塩分濃度の変化、台風や大潮による撹乱頻度や堆積物の状況等から、ストレスまたは撹乱の把握を行い、土壌環境、植物の生理的機能等を考慮に含めた上で、塩湿地環境における群落パターンの解明及び植生モデルの作成を行う。

今年度の研究概要

概要比高の変化に伴う土壌残留塩分濃度と優占種の分布に相関が見られたことから、本年度は各優占種の冠水、塩分耐性に注目した成育実験を実験圃場及び野外実験において行う。加えて、航空写真により中洲形成時から現在までの変遷を辿り、撹乱による遷移状況の違いを評価する。

備考

共同研究者:茨城大学・小田倉碧,大塚俊之,日本生態系協会・金子是久

課題代表者

矢部 徹

  • 生物多様性領域
    生態系機能評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 生物学
portrait