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環境試料タイムカプセル棟竣工記念式典

研究所行事紹介

桑名 貴

 国立環境研究所内に新たに建設された環境試料タイムカプセル棟の竣工披露式典が平成16年5月31日の月曜日午後1時30分から多くの関係者の参列を得て執り行われた。

建物外観の写真
竣工披露式当日の環境試料タイムカプセル棟全景

 披露式典は,まず合志理事長の式辞に続き,渡邉環境研究基盤技術ラボラトリー長により環境試料タイムカプセル棟の概要説明が行われた。これを受けて来賓代表として砂田圭佑環境大臣政務官よりの祝辞を頂き,狩野安参議院議員を始めとした来賓紹介,続いて小池百合子環境大臣ほかの祝電披露の後に,理事長から環境試料タイムカプセル棟建設業者への感謝状授与が行われた。最後に7名によるテープカットが行われ,午後2時には滞りなく式典を終了することができた。

テープカットの写真
竣工披露式テープカット風景
左から,渡邉環境研究基盤技術ラボラトリー長,近藤国際科学技術財団理事長,狩野参議院議員,合志理事長,砂田環境大臣政務官,不破国連大学上席学術顧問,松本環境省総合環境政策局長(現地球環境審議官)

 環境試料タイムカプセル棟は,現在の地球環境の状況を適切に保存し,技術等が進歩した未来における分析評価や絶滅危惧種個体群の増殖等を可能にすることを目的として,現在の環境を代表する環境試料や絶滅危惧種等希少種の遺伝資源の長期保存を行うユニークな大型研究棟で,平成15年2月に着工し,平成16年3月に完成した。地上2階建てで,環境試料及び絶滅危惧種等希少種遺伝資源の長期保存事業,すなわち環境試料タイムカプセル化事業を推進するための様々な設備,施設が整備され外部汚染を避けながら環境試料の保存を行うと共に,絶滅危惧種等の生殖系列細胞や体細胞等の遺伝資源の凍結保存が行われている。この様な目的と機能を竣工記念式典参加者に紹介するために,式典終了後に環境試料タイムカプセル棟内覧会が行われ,施設内部の公開・説明が行われた。説明は環境試料ならびに絶滅危惧動物試料の受け入れと保存前処理,凍結保存の手順に従った内覧順路に従って関係職員によって行われた。

内覧会の様子
式典参加者による内覧の様子

 また,同日の午後3時30分より環境試料タイムカプセル棟竣工を記念した特別講演が「一生物学者の環境考」と題して江口吾朗尚絅学園理事長によって約1時間,地球温暖化棟会議室で行われ,多くの聴衆を得て好評のうちに終了した。

講演の様子
江口尚絅学園理事長による「一生物学者の環境考」は,ユニークかつ明快な講演によって聴衆を惹きつけた。

(くわな たかし,環境研究基盤技術ラボラトリー環境生物資源研究室長)

執筆者プロフィール:

気楽に研究時間がとれる反面,単身赴任は結構忙しい。近頃は誘っても一緒に酒を飲んでくれる人間がだんだん少なくなってきたような気がするんですけど。いっそ禁酒でもして研究三昧でもしてやろうか。