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 幼児やペットに行動を学習させるための初歩的な方法は,行動に応じて報酬(罰を含む)を与えることだ。行動から報酬までの時間差が大きいほど学習効果は低下することが,実験的によく知られている。もちろん子どもの発達段階が進めば,親や仲間の行動を模倣したり,結果を予想する,善悪を自分で考えるなど,より「人間的な」方法によっても行動は学習される。ここで人間の生産・消費行動と環境問題との関係を考えると,今日的な環境問題であればあるほど行動と環境に生じる結果との時間差が大きく,報酬がすぐに還ってこないことが多い。人々が望ましい対環境行動を獲得するための方策は,報酬がすぐに跳ね返ってくる仕組み(環境税など)を作る,または,より「人間的な」学習方法に訴える,という2つに大別できる。本号の研究ノートや地球環境研究の課題名などを,どちらの方策に結びつけられそうか考えながら読むのも興味深いと思うが,いかがであろうか。(T.K.)