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2009年3月31日

俳句における環境植物の調査報告

国立環境研究所研究報告 R-201-2009

表紙
R-201-2009 [3.3MB]

 国際俳句交流協会と各国の日本会の協力により,9つの国の俳句愛好者73名から,植物を詠んだ俳句が報告された。気候帯が異なると多種多様な植物が詠まれているので,日本の人には馴染みない植物が多い。また言語の異なる俳句愛好家から,その地域の俳句における植物の情報が報告された。季語として定着した植物はまだないようである。植物分類学の研究者からは日本の季語について,植物分類学でどこまで解読できるか,初めての試みがなされた。植物分類は世界共通であり,これから異なった言語や気候帯で詠まれた俳句を,それぞれの地域の俳人が相互に理解する為に必要なものである。また季語の統計的分析やデータベース化についても報告された。これらをまとめ印刷・出版することは,環境植物の研究の発展に重要な試みである。この報告書を国内外に配布することは,日本の自然が育んだ俳句を世界に示す良い資料となる。このような研究が積み重ねられることにより,気候風土や文化的背景による環境評価の違いを示すであろう。

(社会環境システム研究領域 青木陽二)