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2003年2月20日

福井県敦賀市 中池見湿地総合学術調査報告

国立環境研究所研究報告 R-176-2003

表紙
R-176-2003 [21.8MB]

 この報告書の「中池見湿地」は、水系がせき止められ形成された袋状埋積谷に発達した特異的な内陸低湿地である。地下の泥炭層の深さは40mにも達する極めて特異的な泥炭湿地に、2,000~2,500年前には直径が3mにも達するスギの巨木が林立していた。その後江戸時代末期から新田開墾され、水田として耕作された時期が長く続いていた。

 学術調査の期間は1998年~2002年の秋までの約4年間であったが、25haの湿地とそれを取り巻く丘陵地帯から発見された動植物種の総数はなんと2,000種を越える「生物多様性」を包容する極めて特異的な「内陸低湿地」であることが判明した。各章には、中池見湿地の地質・地形学的にみた立地環境、高等植物、付着珪藻、付遊珪藻類、底生動物相、魚類、両生・爬虫類、鳥類、哺乳類、節足動物昆虫類、クモ類、ササラダニ類、さらには動植物共生系など、さまざまな動植物分類群に関する生息環境、生態、分類、共生系に関する調査結果が集約されている。今後、「中池見湿地」の保全・保護を考える上で本報告書が役立てば筆者らの望外の喜びである。

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