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接続可能な交通への道
- 環境負荷の少ない乗り物の普及をめざして

環境儀 NO.11

近藤美則
ニーズにあった乗り物を創造することは,持続可能な交通を実現する近道です。

 自動車が誕生しておよそ120年。いまや自動車の保有台数は日本だけでも7,000万台にものぼります。自動車がこれほどまで普及したのは,自動車によって飛躍的に人・物が自由に移動できるようになり,産業の発展や生活の向上に役立ってきたからです。そして今日私たちは,自動車なしでは一日として生活できないような社会を作り上げてしまいました。

 一方,こうした自動車への過度ともいえる依存は,大気汚染や騒音などの環境問題,交通事故,公共交通機関の衰退などといった弊害を招いています。近年クローズアップされる地球温暖化問題に関しては,自動車を中心とする運輸部門からの温室効果ガス排出量が1990年以来増加の一途をたどり,2001年の時点で22.8%の増加となるなど深刻化しています。

 国立環境研究所では,自動車社会が抱える環境問題について,1994年から環境保全に対応した陸上移動媒体(エコビークル)の開発,地球温暖化防止対策技術の総合評価としての交通分野の評価,また低環境負荷型都市交通手段,さらには交通需要の地域特性に適合した運輸部門の環境効率向上策などのさまざまな研究を行っています。本号ではその中から「電気自動車の開発」,「自動車の環境効率評価」について紹介します。