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傷病個体を用いた国内野生鳥獣保有病原体把握(令和 5年度)
Nationwide infectious disease monitoring using rescued wildlife

研究課題コード
2323MA006
開始/終了年度
2023~2023年
キーワード(日本語)
メタゲノム解析,次世代シーケンサー
キーワード(英語)
metagenomic analysis,next generation Sequencer

研究概要

これまで日本では、野生鳥獣に関する感染症について、鳥獣への影響や社会・経済的な影響が大きい高病原性鳥インフルエンザや豚熱といった特定の感染症への対応を中心として対策を進めてきた。一方で、日本に生息する鳥獣は、前述の特定の感染症以外にも様々な感染症の病原体を保有することが知られている。これら感染症について、公衆衛生及び家畜衛生の各分野では、一定のリスク評価に基づく感染症対策が実施されているが、生物多様性保全の観点でのリスク評価は行われておらず、野生鳥獣に関する感染症対策も限定的なものとなっている。このため、国内の野生鳥獣に関する感染症についての情報を広く収集し、生物多様性保全の観点で、リスク評価や感染症対策としての鳥獣保護管理に取り組んでいくことが求められている。そこで、大量死や異常な行動 をとる個体の発生等、生態系の異常及び感染症の発生状況の実態把握をするため、都道府県や市町村等 が 回収・救護した死亡野鳥・傷病鳥獣 について、網羅的な病原体ウイルスあるいは近縁ウイルスの検出を実施し、個体が保有しているウイルスの実態を把握する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

都道府県や市町村等から提供を受けた死亡野鳥・ 傷病鳥獣を対象に、網羅的な病原体ウイルスあるいは近縁ウイルスの検出(感染症検査に活用可能な DNA およびR NAの抽出および保存、対象ウイルスの増幅とウイルスの検出、次世代シークエンス解析等)を実施し、個体が保有しているウイルスの情報を収集する。

今年度の研究概要

今年度は40検体程度を対象とする。対象とする病原体は、WOAHの非リスト疾病とする。

課題代表者

大沼 学

  • 生物多様性領域
    生物多様性資源保全研究推進室
  • 室長(研究)
  • 博士(獣医学)
  • 獣医学,生物学
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