- 予算区分
- 分担
- 研究課題コード
- 2325BA007
- 開始/終了年度
- 2023~2025年
- キーワード(日本語)
- 浄化槽,脱炭素,汚泥,バイオチャー
- キーワード(英語)
- Johkasou,Decarbonization,Sludge,biochar
研究概要
2050年に向けた浄化槽システムの脱炭素シナリオを具体化するとともに、浄化槽システム自体の貢献と外部境界技術の脱炭素化の寄与を棲み分けてGHGs排出量推計結果を検証し、浄化槽システムに対する合理的な目標設定を提案する。浄化槽からのGHGs排出量推計を対象に、現行の合併処理浄化槽のインベントリ報告区分(構造例示型1タイプ、性能評価型4タイプ)に対して、浄化槽の設計・維持管理の高度化(電力由来CO2削減、CH4/N2O排出抑制)が促進されるシナリオが実現した際に、その効果をGHGsインベントリ報告に反映できるための基盤整備を行う。バイオマス由来炭素の隔離によるCO2排出削減効果のカウントに関して、汚泥由来バイオ炭における含有炭素の残存性を定量化し、評価枠組みを具体化することでGHGsインベントリ報告に含めるための基盤整備を行う。
以上の研究を3つのサブテーマで構成し、遂行する。
サブテーマ1 外部境界技術の変化を踏まえた浄化槽システムの2050年脱炭素シナリオの設計
サブテーマ2 設計・維持管理の高度化による浄化槽からのGHGs削減手法の提案
サブテーマ3 浄化槽汚泥等のバイオチャー化によるCO2削減技術の確立
研究の性格
- 主たるもの:技術開発・評価
- 従たるもの:政策研究
全体計画
NIESが担当するサブテーマ3では、浄化槽汚泥等のバイオチャー化によるバイオマス由来炭素隔離という新たな選択肢を考慮し、浄化槽汚泥や嫌気性消化汚泥等のバイオチャー化技術の最適化を図るとともに、IPCCガイドラインを踏まえた我が国独自の方法論を提案する。さらに、地域循環共生圏の創造に資する汚泥由来バイオチャーの多様な利用方法を検討し、炭素隔離のポテンシャルおよび実現可能なCO2削減量を提示する。
今年度の研究概要
浄化槽汚泥や嫌気性消化汚泥等のバイオチャー化技術の最適化を図るため、特性の異なる浄化槽汚泥等を選定した成分・組成の調査、既存炭化施設へのヒアリングを実施する。また、浄化槽の運転管理条件と汚泥生成特性の実験的検討を開始する。
炭化処理条件の最適化のため、ラボスケールの実験炉を用いた汚泥の炭化実験を行う。前処理、他バイオマスとの混合処理、炭化温度・時間、炭化原料の粒度・含水率等をパラメータとした炭化条件の最適化を図るとともに、炭化物の収率、炭素含有率、炭素残存率、重金属含有量、CNPH組成等の物理性を明らかにすることにより、IPCCガイドラインを踏まえた方法論の検討、バイオマス由来炭素の隔離に向けた農業利用など、地域特性に応じた用途への対応を検討する。
外部との連携
大阪大学、日本環境整備教育センター、東洋大学、長岡工業高等専門学校、農研機構、秋田県立大学
備考
環境研究総合推進費 3-2304
JPMEERF20233004
- 関連する研究課題
- : 資源循環分野(イ政策対応研究)
課題代表者
蛯江 美孝
- 企画部
国際室 - 室長(行政)
- 博士 (農学)
- 生物工学,化学,土木工学