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ヒ素曝露による肝細胞の細胞老化を介した肝発癌機序の解明(令和 4年度)
Elucidation of the mechanism of liver carcinogenesis via premature senescence of hepatocytes induced by arsenite exposure

研究課題コード
2122AN005
開始/終了年度
2021~2022年
キーワード(日本語)
無機ヒ素,細胞老化,肝臓,癌,肝細胞
キーワード(英語)
arsenite,cellular senescence,liver,cancer,hepatocyte

研究概要

ヒ素曝露が引き起こす慢性中毒は世界的に深刻な環境問題のひとつであり、その中でも発癌は命に関わる問題であるが、機序は未解明である。ヒ素による発癌は肝臓を含む様々な臓器でおこるが、曝露を中止後も長い潜伏期間を経て発症するため、ヒ素を除く方法の開発以外に機序を明らかにし治療法の礎を築くことが必要である。本研究は近年発癌への重要な寄与が報告された細胞老化に着目し、ヒ素曝露によって誘導される肝細胞の細胞老化が肝癌発症に寄与するか明らかにする。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

ヒ素曝露による発癌機序を明らかにするため、肝細胞にヒ素を曝露し、発癌に重要な細胞老化およびSASPと呼ばれる分泌現象が観察されるか検討する。さらに一度ヒ素曝露によって細胞老化が誘導された場合、ヒ素非存在下に戻っても細胞老化およびSASP産生が継続するか、SASPが肝細胞の増殖を促進するか検討する。

今年度の研究概要

Huh7細胞において、無機ヒ素曝露を行うことで細胞老化が誘導されていることをさらに証明するため、前年度検討した細胞老化マーカー以外のマーカーとしてSA-β-gal (senescence-associated beta-galactosidase)染色を行う。また、培地からヒ素を除いた後も細胞老化が継続していることを確認するために、ヒ素曝露後、培地からヒ素を除いて培養を行った細胞を用いて、SA-β-gal染色および細胞老化マーカーの遺伝子発現量の測定を行う。さらに、老化した細胞が存在することで周辺の肝細胞の増殖および遊走能に影響があるか検討を行う。

関連する研究課題

課題代表者

岡村 和幸

  • 環境リスク・健康領域
    病態分子解析研究室
  • 主任研究員
  • 博士(環境学)
  • 生化学,理学 ,医学
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