- 予算区分
- MA 委託請負
- 研究課題コード
- 1717MA004
- 開始/終了年度
- 2017~2017年
- キーワード(日本語)
- 適応,国立公園,大雪山,慶良間諸島
- キーワード(英語)
- adaptation,National Park,Mt. Daisetuzan,Kerama Islands
研究概要
将来的な気候変動にともなう国立公園の生物多様性の喪失や利用形態の変動を予測し、脆弱となる生態系の保全をはじめとした公園管理方法や観光業などの利用面に対する適応策を提言することを目標としている。
研究の性格
- 主たるもの:行政支援調査・研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
平成28年度生物多様性分野における気候変動への適応策検討業務において調査を実施された高山帯・亜高山帯の追加評価と成果還元を行うともに、海外の適応策に関する情報収集、沿岸生態系における情報収集を行うものである。
今年度の研究概要
(1)海外の適応策に係る情報収集
・査読付きかつインパクトファクター付きの雑誌に掲載された論文を対象とし、適応策に関連したキーワードにより論文を入手し、情報収集を行う。
(2)平成28年度実施のモデル保護区における追加情報の収集及び追加解析
・紅葉の質的な評価及び将来予測を行う上で必要となる紅葉データの収集を行う。
・28年度業務における有識者へのヒアリングにて指摘されていた高山植生分布の将来予測にとって不可欠である積雪と消雪の将来予測とダウンスケーリングを行う。現存する積雪の将来予測は最も高解像度のものが20kmグリッドであり、高山植生の分布の検討や将来的な避難地を議論する上では荒すぎることから、既存の衛星データ及び気候データによる融雪・消雪モデルを作成し、ダウンスケーリングを行う。
(3)現地関係者に対する適応策の提案及び説明素材等の検討
平成28年度の成果および平成29年度の成果に基づき、適応策の説明素材案を複数作成し、実際にどのような適応策の提示方法が現地関係者から望まれるか、理解を進めるのかといった観点について現地関係者等へのアンケート調査を行う。
(4)沿岸生態系調査対象地の選定及び情報収集の作業
対象地として沖縄県を中心とし、水温上昇の予測に基づく脆弱性の地域間比較を行い、モデル保護区を決定する。現段階での検討状況として気候変動の影響が少なく更に沖縄本島へのサンゴ養成の供給源として考えられている慶良間国立公園をモデル保護区として業務を進めることを想定している。