平成15年度国立環境研究所予算案の概要について
安田 直人
平成15年度国立環境研究所予算案は，平成14年12月24日に閣議決定された政府案で，運営費交付金94.0億円，施設整備費補助金4.1億円，あわせて98.1億円とされています。これは，前年度当初予算に比べて，運営費交付金では約1.1億円の減となっていますが，施設整備費補助金が1.7億円の増となっており，全体では若干ながら昨年より増額となっています。施設整備費補助金は，研究所施設の修繕・更新等に要する経費として増額が認められているもので，施設の老朽化対策が大きな課題となっている研究所にとっては朗報です。
運営費交付金では，各研究課題ごとに予算額が示されているわけではなく，予算案は中期計画に示されている研究所総体としての運営にかかる経費として一括して計上されています。今後，４月までの間に，平成15年度の年度計画の策定と平行して，具体的な15年度実行予算を固めていくことになります。
また，同時に政府案が示された平成14年度補正予算案には，ディーゼル車をはじめとする自動車排出ガス中ナノ粒子を分離して実験動物に吸入曝露することにより，健康影響を評価する施設等を国立環境研究所に整備する経費（17億円）が盛り込まれました。
（やすだ なおと，研究企画官）
執筆者プロフィール
国環研創設時から残っている数少ないメンバー。国環研における最後の仕事として，化学物質環境リスク研究センターの立ち上げと体制強化に全力投球していきたい。