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2018年11月30日

受賞のお知らせ ~
横溝主任研究員・深谷特別研究員が第34回個体群生態学会ポスター賞(最優秀賞)を受賞

概要

受賞者氏名: 横溝 裕行主任研究員,深谷 肇一特別研究員
賞の名称:  第34回個体群生態学会ポスター賞(最優秀賞)
授賞機関:  個体群生態学会
受賞年月日: 2018年10月06日
受賞対象:  Analysis of flow matrices describing inter-stage flows of individuals using randomly generated population matrices.,第34回個体群生態学会, Abstracts , 34,2018

ひとこと

私たちは、植物の推移行列から計算される流れ行列を定義し、個体群増加率に対する生存・成長・繁殖の貢献度の定量化を行いました。そして、植物の生活史の違いにより、これらの貢献度がどのように変化するのかをシミュレーションにより解析しました。COMPADREという実際の野外個体群の推移行列に関するデータベースから得られる流れ行列と、シミュレーションから得られる流れ行列の比較を行いました。その結果、シミュレーションではあまりみられない繁殖の貢献度が小さい野外個体群が、多く存在することがわかりました。植物のどんな特徴がこのような結果をもたらしたのか、今後さらなる解析を実施する予定です。推移行列とは、個体の生存率・成長率・種子の数などが、どの程度なのかを行列の形であらわしたものです。流れ行列とは、異なる生育段階間を推移する個体数を評価する行列です。流れ行列の要素を足し合わせると、個体群増加率になるという大変面白い性質を持っていることがわかりました。この特徴的な性質をもった流れ行列を、推移行列のデータベースなどを用いて解析することにより、さまざまな動植物の進化の解明に繋がることが期待されます。本研究は、高田壮則特任教授(北大)とJohn G. Lambrinos准教授(オレゴン州立大)との共同研究で、科学研究費補助金・基盤研究(B)・「生活史行列ビッグデータを用いた植物個体群の比較統計解析」の援助を受けて行われました。