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令和2年度農薬生態リスクの新たな評価法確立事業(調査研究)業務(令和 2年度)
The development of new ecological risk assessment method for agricultural chemicals

予算区分
MA 委託請負
研究課題コード
2021MA002
開始/終了年度
2020~2021年
キーワード(日本語)
農薬,慢性影響
キーワード(英語)
agricultural chemicals, chronic toxicity

研究概要

平成30年6月15日に農薬取締法の一部を改正する法律が公布され、農薬の動植物に対する影響評価の対象が、従来の水産動植物から、陸域を含む生活環境動植物に拡大された。
 一方で、第5次環境基本計画においては、「従来の水産植物以外の生物を対象としたリスク評価に加え、新たに長期ばく露による影響や水産動植物以外の生物を対象としたリスク評価手法を確立し、農薬登録制度における生態影響評価の改善を図る」とされており、農薬の長期ばく露による影響の観点からのリスク評価の方法について検討を行うなど、現行のリスク評価手法を常に改善する必要がある。
 これを踏まえ、本業務では、環境省が別途発注する「令和2年度農薬の水域生活環境動植物に対する慢性影響評価手法等検討調査業務」と連携し、農薬の長期ばく露による影響評価の導入に係る技術的な検討等を行うことを目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:行政支援調査・研究
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

農薬の長期ばく露によ影響評価の導入に係る技術的な検討業務として、ユスリカ幼虫に係る急性・慢性毒性値の比較検討を行うともに、慢性影響評価に係る情報の整理を行う。また、ウキクサ試験における毒性データベース構築に向け、エンドポイントの違いや培地組成の違いによる毒性値の比較検討を行う。

今年度の研究概要

?ユスリカ幼虫に係る急性・慢性毒性値の比較
殺虫剤について、ユスリカ幼虫に係る急性毒性値と慢性毒性値を文献により収集し、両者の比較・考察を行う。データが不足しているもについては、OECDテストガイドラインに基づく試験を実施し、急性毒性値及び慢性毒性値を導出する。

?慢性影響評価に係る情報整理
300農薬程度について、急性毒性値・慢性毒性値のデータを収集し、各農薬に係る急性慢性毒性比(ACR)を試験対象生物種ごと、農薬の種類ごとに整理するととも、慢性毒性を免除する要件としてACRの活用が可能であるかの考察を行う。

?ウキクサ試験における毒性データベース構築に向けた業務
ウキクサを用いた試験の毒性データは、藻類に比較して非常に少なく、試験法や毒性値の信頼性評価で必要とされている知見が不足していることを踏まえ、5農薬程度について、OECDテストガイドラインに基づく生長阻害試験を行い、藻類との毒性値の比較を行うとともに、特にエンドポイントの違い、培地組成の違いによる毒性値の比較検証を行う。

関連する研究課題

課題代表者

山本 裕史

  • 環境リスク・健康領域
  • 副領域長
  • Ph.D.
  • 化学,生物学,土木工学
portrait

担当者