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航空機多成分観測によるアジア域のGHG複合トップダウン解析(令和 2年度)
An integrated GHG top-down analysis for Asia using multi-species aircraft observations

予算区分
AN 所内公募B
研究課題コード
2021AN002
開始/終了年度
2020~2021年
キーワード(日本語)
航空機観測,逆解析
キーワード(英語)
aircraft observation,inverse analysis

研究概要

アジア域において定期旅客機を用いた大気成分観測を実施すると同時に、トップダウン解析で観測データを最大限に活用するための多成分複合解析手法の開発を行う。これにより、アジア域の温室効果ガス収支について起源別の推定精度の向上を図り、温室効果ガスの吸収・排出メカニズムの理解深化や各国・地域のインベントリの不確定性評価の向上を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

本研究では定期旅客機を用いた観測プロジェクトCONTRAILのプラットフォームを利用し、自動サンプリング装置を用いた大気試料の採取を2年間、定期的に実施する(バンコク路線で年10回を想定)。主要なGHGのほか、人為起源の指標として有用な成分(CO、VOC等)の測定も行う(分析担当:町田(GHGs, CO)、梅澤(VOC等))。これにより、先行プロジェクトでの観測と合わせて5年間のデータが揃うことになり、大気成分の季節変化や経年変化を正確に評価することが可能となる。この観測を基に大気輸送モデルNICAM-TMや逆解析システムNICAM-TM 4D-Varを用いてアジア域を対象とした解析を行う。ここでは、モデルに未実装の成分を追加すると同時に、多成分データを複合的に用いて起源・成分別にフラックス推定を行う同時逆解析スキームを開発する。2年目前半まではスキームの開発、予備実験を行い、2年目後半で本格的な解析を実施する。
 本観測により、地上観測では捉えにくい夏季の大陸からの流出シグナルが捉えられる。特にメタンは夏季に湿地や水田などの生物起源の排出が大きくなるため、多成分データの活用によって、化石燃料など別起源排出との分離評価が従来よりも向上することが期待される。

今年度の研究概要

4月より観測を開始する。また、多成分データを複合的に用いて起源・成分別にフラックス推定を行う同時逆解析スキームの開発に着手する。

課題代表者

丹羽 洋介

  • 地球システム領域
    物質循環モデリング・解析研究室
  • 主任研究員
  • 博士(理学)
  • 理学
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担当者