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適応計画策定支援のための統合データベース構築と分析ツールの開発(令和 2年度)
Development of an Integrated Database and Analysis Tools for Supporting Adaptation Planning

予算区分
BA 環境-推進費(委託費) S-18-1(2)
研究課題コード
2024BA001
開始/終了年度
2020~2024年
キーワード(日本語)
気候変動適応,統合評価モデル,データベース
キーワード(英語)
climate change adaptation,integrated assessment model,database

研究概要

本サブテーマは,「令和2年度戦略的研究開発課題(S-18)の公募方針」が定める個別目標「S-18 全体の成果を取り纏めた地方公共団体の適応計画立案支援のための統合データベース構築及び統合評価モデルの開発」の達成を目指すものである。サブテーマ1(3)や他のテーマが開発する影響予測・適応策評価モデルが提供する結果群を取り込み,テーマ5が行う経済評価やサブテーマ1(4)が行う適応策のシナジー・トレードオフも考慮して,気候変動適応計画の策定に資するツールを提供する。また本サブテーマの成果をA-PLAT等を通じて提供し,地方公共団体による地域の実情や要望に合った適応計画の策定に資することを目標とする。
 本サブテーマが取り組む2つの課題の最終目標を以下に示す。
1.科学的知見に基づく適応計画策定に資する適応経路解析手法の開発
他の(サブ)テーマが開発する影響予測・適応策評価モデルをもとに,気候パラメータと影響を結びつける簡易影響予測モデル(気候変動影響関数,影響評価エミュレータ)を開発する。またこのモデルを用いて,どの適応策をいつ実施する必要があるか等を判断するための適応経路解析手法を開発する。
2.気候変動影響予測・適応策評価結果の統合およびA-PLATでのデータ提供方法の検討
他の(サブ)テーマから提供される気候変動影響予測・適応策評価の成果を地方公共団体等がA-PLATを通じて活用できる形に整理し,国立環境研究所気候変動適応センターに提供する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

1.科学的知見に基づく適応計画策定に資する適応経路解析手法の開発
1年度目(R2年度)
S-18で影響予測・適応策評価を行う分野における過去のプロジェクト(S-8やSI-CAT等)の成果を収集し,その影響予測モデルから得られる結果をもとに簡易影響評価モデルのプロトタイプを開発する。
2年度目(R3年度)
1年度目に開発した簡易モデルのプロトタイプを用いて,適応計画策定を目的とした適応経路解析手法の開発を開始する。海外で行われている適応関連プロジェクトの情報や,緩和分野で行われている研究(バックキャスティング手法,アジア太平洋統合評価モデル(AIM)等)の知見を収集しつつ,例えば任意の時期に適応策を導入した場合の効果や,気候変動影響を一定程度以下に保つために必要な適応策の種類と導入時期等を解析できるような手法を開発する。
3年度目(R4年度)
2年度目に各(サブ)テーマが行う共通シナリオ第一版を用いた影響予測の試算結果を用いて簡易影響予測モデルを更新する。1年度目のプロトタイプからは評価項目が増加すると想定される。また,簡易影響予測モデルの更新版を適用して適応経路解析手法の開発を継続する。解析に不足するデータ等が見られた場合は各(サブ)テーマに対してフィードバックを行い,モデルの改良等を依頼する。

4年度目(R5年度)
3年度目までの成果をもとに,適応経路解析手法の開発を完了する。また,地方公共団体等が本サブテーマで開発する手法を用いて適応経路解析を行えるように,解析手法のシステム化(条件の設定方法や解析結果の見せ方等の検討)を開始する。
5年度目(R6年度)
4年度目に各(サブ)テーマが行う共通シナリオ第二版を用いた影響予測の最終結果を収集し,簡易影響予測モデルの最終版を構築し,適応経路解析手法に適用する。また,国立環境研究所気候変動適応センターと連携し,開発したシステムの公開方法を決定する。

2.気候変動影響予測・適応策評価結果の統合およびA-PLATでのデータ提供方法の検討
1年度目(R2年度)
各(サブ)テーマが行う影響予測・適応策評価についての計画を収集し,A-PLATでの公開を前提に知見を発信する方法(データの解像度,基準年,期間,気候シナリオ等)について検討する。検討結果を各(サブ)テーマに随時フィードバックし,S-18全体で画一的な評価となるよう調整する。
2年度目(R3年度)
ひきつづき各(サブ)テーマと評価項目や内容について連携・調整し,共通シナリオ第一版を用いた影響予測・適応策評価の試算に反映していただく。また,国立環境研究所気候変動適応センターと連携し,A-PLATでの公開に向けたデータベースの仕様について検討する。
3年度目(R4年度)
2年度目に各(サブ)テーマが行う共通シナリオ第一版を用いた影響予測・適応策評価の試算結果を収集し, A-PLATでの公開方針に沿っているか確認する。データや形式に齟齬が見られた場合は各(サブ)テーマと調整する。
4年度目(R5年度)
4年度目に各テーマ,サブテーマが行う共通シナリオ第二版を用いた影響予測結果・適応策評価結果を収集し,順次国立環境研究所が所有するA-PLATサーバに格納する。必要があればA-PLATで公開できる形式への編集を依頼する。
5年度目(R6年度)
共通シナリオ第二版を用いた影響予測・適応策評価結果の収集および整理を完了し,A-PLATサーバに格納する。国立環境研究所気候変動適応センターと連携し,成果の公開方法や地方公共団体等への周知方法を決定する。

今年度の研究概要

1.科学的知見に基づく適応計画策定に資する適応経路解析手法の開発
S-18で影響予測・適応策評価を行う分野における過去のプロジェクト(S-8やSI-CAT等)の成果を収集し,その影響予測モデルから得られる結果をもとに簡易影響評価モデルのプロトタイプを開発する。

2.気候変動影響予測・適応策評価結果の統合およびA-PLATでのデータ提供方法の検討
各(サブ)テーマが行う影響予測・適応策評価についての計画を収集し,A-PLATでの公開を前提に知見を発信する方法(データの解像度,基準年,期間,気候シナリオ等)について検討する。検討結果を各(サブ)テーマに随時フィードバックし,S-18全体で画一的な評価となるよう調整する。

外部との連携

本課題は,環境研究総合推進費戦略的研究開発(I)の気候変動影響予測・適応評価の総合的研究(プロジェクトリーダー:三村信男(茨城大学))の一環で行われる。

関連する研究課題

課題代表者

真砂 佳史

  • 気候変動適応センター
    気候変動適応戦略研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 土木工学
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担当者