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東京電力福島第一原子力発電所事故後の水田生物:営農開始後の遷移実態の解明(平成 30年度)
Revealing biodiversity status of rice paddies in Fukushima after the nuclear power plant accident

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1820CD012
開始/終了年度
2018~2020年
キーワード(日本語)
生物多様性,原子力災害,自動撮影装置,水田
キーワード(英語)
biodiversity,Nuclear disaster,Camera trap,rice paddy field

研究概要

東京電力福島第一原発事故に伴う営農の中断や除染作業といった農業生産環境の変化は、過去例のない人為的な生態系攪乱である。近年、避難指示が大幅に解除され、徐々に復田が進められている。そこで見られる水田生物の遷移実態を明らかにし、避難指示を受けなかった地域と比較することは、生物多様性回復のために必要な要因解明に対して非常に有用な情報を与えうる。そこで、本研究では水田環境の指標となる生物種群、特に移動能力の低いカエル類と移動能力の高い赤トンボ類に注目してそれらの環境変化への反応を明らかにし、大規模な生態系攪乱が水田生物にもたらす影響を評価する。また、その過程で自動撮影装置を用いた赤トンボ類アカネ類の簡便な新規評価手法を確立する。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

本研究課題では、水田の環境指標生物の標準的な調査方法である「農業に有用な生物多様性の指標生物調査・評価マニュアル」に従って、南相馬市、相馬市、飯舘村、二本松市等の水田(原発事故に伴う水稲作付け中止があった地点を含む)でカエル類、赤トンボ類の調査を行い、作付け中止や除染作業、栽培方法等の生物分布への影響を解析する。同時に、自動撮影装置を用いた赤トンボ類の調査を行うことで、従来の標準的な調査方法との関係を検討し、調査手法の簡易化をめざす。

今年度の研究概要

調査地となる水田において赤トンボ類の自動撮影装置を設置し、既存の調査方法との比較を行う

外部との連携

本研究課題は、福島県農業総合センター浜地域研究所の三田村敏正専門研究員を代表とする研究課題に研究分担者として参画するものである。

課題代表者

吉岡 明良

  • 福島地域協働研究拠点
    環境影響評価研究室
  • 主任研究員
  • 博士(農学)
  • 農学
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