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大気中水銀同位体分析による発生源近傍および広域的な水銀拡散の実態把握(平成 30年度)
Hg isotopic compositions of gaseous elemental mercury collected near emission sources, and understanding long-range transportation of emitted mercury

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD016
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
原子状水銀,水銀同位体比
キーワード(英語)
gaseous elemental mercury, Hg isotopic composition

研究概要

産業革命以降、環境中の水銀濃度は約3〜5倍に増加した(UNEP, 2013)。水俣病を経験した我が国では、水銀による環境問題として“限定された地域の汚染”というイメージが強い。しかし近年は、水銀は様々な化学形態をとりながら、大気、海洋、陸域など複数の環境媒体へと汚染域を拡大する“広域汚染物質”という認識が広まりつつある。将来拡大するかもしれない水銀汚染への未然防止策として、水銀の排出・拡散の実態を明らかにすることは極めて重要な課題である。そこで本研究では、大気中水銀の定量および同位体分析に基づく排出源周辺および広域汚染の実態を調査し、水銀の環境動態について新たな知見を得る。これにより、平成27年に閣議決定された「大気汚染防止法の改正案」の有効性評価にも貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

本研究は、マルチコレクターICP-MSを用いた高感度・高精度な水銀同位体分析法を用いて、(1)発生源周辺の水銀動態の実態を把握する。また、自然的発生源として国内の大気中水銀の10%を占める火山、人為的発生源として大気中水銀の10〜30%を占める廃棄物焼却施設をターゲットとし、発生源のHg0(g)、およびその周辺のHg0(g)と土壌の定量、同位体分析を実施する。さらに、(2)大気中水銀の広域的な輸送の実態把握として、沖縄県辺戸岬におけるHg0(g)の定量・同位体比の年間モニタリングを実施し、国外から輸送される水銀の発生源を明らかにする。

今年度の研究概要

全体計画に示した「(1)発生源周辺の水銀動態の実態を把握」について、必要に応じて追加測定を行う。また、「(2)大気中水銀の広域的な輸送の実態把握」で実施した辺戸ステーションの大気中水銀同位体分析結果についてのまとめを実施する。

課題代表者

山川 茜

  • 環境リスク・健康領域
    環境標準研究室
  • 主任研究員
  • 理学博士
  • 地学
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