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熱帯雨林における硫化カルボニルの動態:総光合成量プロキシとしての評価(平成 29年度)
Studies on Carbonyl sulfide in the tropical rainforest

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1618CD026
開始/終了年度
2016~2018年
キーワード(日本語)
硫化カルボニル
キーワード(英語)
carbonyl sulfide

研究概要

熱帯雨林は、最大の光合成量を持つ生態系として、グローバルな炭素循環で重要な役割を果たしている。しかし熱帯雨林の総光合成量は、莫大なシンク(光合成)とソース(呼吸)のわずかな差分である『正味の炭素交換量』に基づいて推定されているため、大きな不確実性を伴っているのが現状である。そこで本研究では、総光合成量の独立な指標として、CO 2 と同様な機構で植生に取り込まれ、一方で植生から大気への放出のない硫化カルボニル(COS)に着目する。熱帯雨林の生態系スケールの COS フラックスを、その構成要素である葉群および土壌によるガス交換過程と併せて観測し、熱帯雨林における COS の動態を明らかにすると共に、COS 吸収量に基づいて総光合成量を推定し、そのプロキシとしての有用性を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究は、東南アジア熱帯雨林の生態系・植生・土壌の各スケールにおける COS のガス交換過程の観測に基づいて、COS ベースで総光合成量の推定を行う上で必要な前提条件を検証すると共に、総光合成量を推定し、総光合成量プロキシとしての COS の有用性を評価することを目的とする。

今年度の研究概要

本年度は、昨年度に過少見積の問題の見られた簡易渦集積法による生態系スケールのCOSフラックス計測手法の確立に重点を置く。このためにCOSフラックス観測システムの改修と森林サイトでの観測を行う。また、熱帯林植生によるCOS吸収速度の観測を試みる。更にこれらの観測に必要なCOSの濃度測定を現場で行うための観測システム(低温大気濃縮装置/ガスクロマトグラフ/質量分析計)をマレーシア熱帯林のタワーサイトに構築する。

外部との連携

京都大学、森林総合研究所、マレーシア森林研究所

関連する研究課題

課題代表者

斉藤 拓也

  • 地球システム領域
  • 主幹研究員
  • 博士(地球環境科学)
  • 化学
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