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北極土壌圏温暖化に伴う凍土融解と土壌微生物による新たなCO2放出メカニズムの解明(平成 28年度)
Novel mechanism of CO2 emission by permafrost microbe and permafrost melting under Arctic warming

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1517CD016
開始/終了年度
2015~2017年
キーワード(日本語)
北極,土壌炭素,化石炭素,微生物
キーワード(英語)
Arctic,Soil organic carbon,fossil C,microbial

研究概要

 陸地面積の約24.5%を占める北極の永久凍土には、過去数十万年間の有機炭素( fossil carbon )が大量に蓄積されている。近年の温暖化の進行による凍土融解に伴い、凍土中のfossil carbonの分解による新たなCO2の放出が懸念されている。大量の炭素ストックを抱えた北極圏は、温室効果ガスのホットスポットとして機能し、温暖化を加速させる正のフィードバックを引き起こす起爆剤となることが懸念される。本研究では、北極域土壌圏からの温室効果ガス放出量評価と共にfossil carbon分解によるCO2放出の定量的評価を行う。これにより、新たなCO2放出プロセスとその効果が解明され、土壌炭素コンパートメントモデルによる温暖化による炭素シーケストレーションの変動予測向上に貢献するものと期待される。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

極域の土壌圏炭素動態を解明するために、温暖化に伴う環境変化によるfossil carbon由来CO2発生メカニズムと環境要因との関連性についての解析を行うための観測を行う。北極海スピッツベルゲン島氷河後退域において、土壌からのCO2放出速度の測定を行い、温室効果ガス放出の実態を把握する。また、大気および土壌各層からCO2ガスの採取および土壌深度別の土壌サンプリングを行い、各々に含まれるfossil carbon由来14Cを測定することで、土壌呼吸CO2に含まれるfossil carbonの比率を調べる。

今年度の研究概要

北極海スピッツベルゲン島の表層土壌および永久凍土の調査および凍土のボーリング調査を行う。採取した凍土の有機炭素含有率、C/N比、および炭素安定同位体比、14C測定を行う。また土壌CO2の14C測定を行い、土壌微生物分解による炭素源を明らかにする。

外部との連携

筑波大学、東京薬科大学

関連する研究課題

課題代表者

内田 昌男

  • 地球システム領域
    動態化学研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,地学,理学
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