- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 1617CD005
- 開始/終了年度
- 2016~2017年
- キーワード(日本語)
- 基底膜基質,多能性幹細胞,肺胞上皮細胞
- キーワード(英語)
- basement membrane substratum, pluripotent stem cells, alveolar epithelium
研究概要
環境汚染物質の毒性評価はこれまで動物実験が主体であったが、近年、3Rの精神から、培養細胞を用いたin vitro評価系による代替法が重要視されてきている。しかし、従来の株化細胞を用いた評価系では、十分に生体内を反映することが難しく、代替法としての期待に応えているとは言い難い。ES細胞やiPS 細胞の多能性幹細胞は生体内の各組織に分化できる能力を有することから、株化細胞に代わるツールとして着目されている。また、基底膜は細胞の足場としてだけでなく、細胞の分化や成熟、更には生体内において細胞が機能的に作用するのに重要な役割を果たすことが知られている。本申請では、多能性幹細胞と基底膜を用いた大気汚染物質の新たな代替法を開発することを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:技術開発・評価
全体計画
代替法として期待されているマウスあるいはヒトの多能性幹細胞(主にiPS細胞)から肺胞上皮細胞への分化培養について、これまで幾つかの報告はあるが、低い分化効率や機能解析の不足等、まだ十分に確立されていない。本研究では、in vitroで生体内での状況を再現するために重要な要素であり、細胞の分化や成熟に関与する基底膜を利用した多能性幹細胞から肺胞上皮細胞への新規分化培養法を検討する。
今年度の研究概要
マウスあるいはヒトのiPS細胞から肺上皮の元となるventralized anterior forgutへ分化誘導後、基底膜上で培養し、肺胞上皮細胞への分化効率を従来の方法と比較することで肺胞上皮細胞への分化における基底膜の有効性を調べる。また、発生期において肺上皮へと発達する段階で相互作用する間質性細胞(内皮細胞や線維芽細胞)と共培養することで、より効率的に肺胞上皮細胞への分化誘導が可能か検討する。
外部との連携
共同研究:持立克身(客員研究員)
- 関連する研究課題
課題代表者
伊藤 智彦
- 環境リスク・健康領域
生体影響評価研究室 - 主任研究員
- 博士 (環境科学)
- 薬学,生化学
担当者
-
曽根 秀子