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グローバル水文学の新展開(平成 28年度)
New frontiers in global hydrology

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1620CD002
開始/終了年度
2016~2020年
キーワード(日本語)
全球水資源モデル
キーワード(英語)
Global water resources model

研究概要

全大陸1km 空間解像度での過去から将来にわたる1000 年間の水・エネルギー循環の推計に向けて、今後20 年以上にわたって世界のグローバル水文学をリードできる次世代陸域モデルの数値シミュレーションシステムの基盤を構築する。この目的のため、数値天気予報や将来の気候変動予測などに用いられる大気大循環モデルの陸面境界条件を与えるために大気モデルに従属して開発されてきた陸面モデル(Takata et al., 2003)等の研究蓄積を利用しつつも、土地利用や植生の変化(Kanae et al., 2001)、人間活動(Hanasaki et al., 2008a)なども考慮可能で、湖沼や河川さらにはその氾濫なども表現可能な陸域水・エネルギー循環モデルを、動的河川モデル(Yamazaki et al., 2011)を軸として新たに構築する。陸域の水・エネルギー収支と水循環とを大陸規模・日単位のスケールで精度良く推計でき、大気や海洋、生物圏などからなる地球システムモデルとも結合可能な陸域水循環の物理的側面に関する次世代陸域モデルの枠組を研究期間内に完成させる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

20 世紀初頭から21 世紀末までの世界の水利用を時空間詳細かつ均質にカバーするデータを構築する。20 世紀については、まず、現在利用可能な文献情報を集約した国別世界水利用量・水利用技術データベースを作成する。また、主要国については、水利用の国内分布特性および社会経済的指標との関連を明らかにする。これらに基づいて申請者らの全球水利用推定モデルを大幅に改良し、20 世紀の水利用・水循環再現シミュレーションを実施する。この結果と国別世界水利用量データベースを組み合わせることにより、これまでになかった、欠損のない時空間詳細な20 世紀の世界の国別水利用データを開発する。さらにひき続いて21 世紀のシミュレーションを実施し、複数の社会想定に基づいた将来の水利用見通しを構築する。

今年度の研究概要

世界の水利用情報を得るため、1)水利用量、2)水利用技術に関する2 種類のデータベースを作成する。水利用量データベースは世界の国・年・セクター別に過去の水利用データを蓄積したものである。現時点でFAO による水情報データベースAQUASTAT を利用しているが、時系列データの欠損が著しいため、国や国際機関が発行する報告書や研究機関が実施したモデル推計結果など、水利用についてこれまでに報告されたデータを広く収集・整備する。水利用技術データベースは、国・年・セクター・水利用要素別に水利用方式とそのシェアを整備したものである。例えば火力発電所の冷却用水については、IEA の文献等を利用することにより、冷却方式のシェアと冷却方式別の水消費原単位などをデータベース化する。

外部との連携

研究代表者は東京大学の沖大幹教授である。

関連する研究課題

課題代表者

花崎 直太

  • 気候変動適応センター
    気候変動影響評価研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(工学)
  • 土木工学
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