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海洋島における外来生物の駆除が生態系の物質循環を介して在来種に与える影響(平成 25年度)
Effects of expulsion of invasive species on native species via material cycle in oceanic island ecosystems

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1115AQ010
開始/終了年度
2011~2014年
キーワード(日本語)
外来種,物質循環,生態系モデル,海洋島の生態系,空間構造
キーワード(英語)
alien species, material cycle, ecosystem model, ecosystem on oceanic islands, spatial structure

研究概要

小笠原諸島はこれまで一度も大きな陸地とつながったことがないため、多くの固有種を含む独特の生態系が発達している。しかし外来種の影響で多くの固有種が絶滅の危機に瀕しているため、現在外来種の駆除事業が行われている。外来種の中には、すでに在来種と密接な関わりを持って大繁殖してしまったものもおり、それらを駆除すると生態系の物質循環が大きく変化し、それを介して在来種に悪影響がでることが危惧される。そこでその影響を評価するため、島の生態系の物質循環を再現するシミュレーションモデルを開発し、外来種を駆除するコンピュータシミュレーションを行い、外来種を駆除した後に、生態系は元の状態に回復していくのか、かえって駆除前よりも個体数を減らすような在来種は出てこないか、を予測する。また、影響を受けやすい在来種の性質を明らかにし、島の生態系の保全施策策定に貢献する。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

初年度は、生態系モデルの感度解析を行い、モデルの挙動に支配的な影響を及ぼすパラメータを探索する。次年度以降は、今年度に完成させた生態系モデルを用いて、外来種を駆除するシミュレーションを行って在来種への影響を解析し、在来種への影響が少なくなるような駆除方法を提言する。さらに空間の異質性を反映させられるようにモデルを改良し、そのモデルを用いて、外来種駆除が島内の生物の分布にどのように影響するかを明らかにする。また、外来種駆除後の生態系の変化を解析し、特に影響を受けやすい場所と生物を明らかにすることによって、島の生態系の効率的な保全施策策定に貢献する。

今年度の研究概要

海洋島内の環境不均質性を再現できるよう、空間構造を導入した生態系モデルを開発する。昨年度までに構築した生態系内の物質循環を再現するモデルを基盤にし、それを複数個つなげ、海からの距離、傾斜、地表面の状態などの環境条件と、生物の環境選好性・移動をインプットできるような数理モデルを開発する。

外部との連携

共同研究者:可知 直毅(首都大学東京)、平舘 俊太郎(農業環境技術研究所)、川上 和人(森林総合研究所)

備考

科学研究費補助金「海洋島における外来生物の駆除が生態系の物質循環に与えるインパクト」(課題代表者 可知直毅(首都大学東京))(H22-24)
科学研究費補助金「外来生物駆除後の海洋島の生態系変化:環境不均質性を考慮した管理シナリオの提案」」(課題代表者 可知直毅(首都大学東京))(H25-27)

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

吉田 勝彦

  • 生物多様性領域
    生物多様性保全計画研究室
  • 主幹研究員
  • 博士 (理学)
  • 生物学,地学,コンピュータ科学
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