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完新世における東アジア水循環変動とグローバルモンスーン(平成 24年度)
Global Monsoon variation and East Asian water cycle during the Holocene

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1115CD004
開始/終了年度
2011~2015年
キーワード(日本語)
アジアモンスーン
キーワード(英語)
Asian Monsoon

研究概要

本研究は、東アジア夏季モンスーン[EASM]に伴う降水の強度および空間分布が、幾つかの特徴的時間スケールで、どの様に、どの程度変動したか、その究極的支配要因は何かを、海水準やCO2濃度等の境界条件が現在とほぼ同じになった完新世中期以降に的を絞って解明する事を目的とする。また、大規模洪水イベントにも着目し、その発生域や頻度とEASM降水の空間分布の関係も探る。本研究計画は3つのサブテーマ1) 揚子江流域におけるEASM降水空間分布変動と洪水史の復元、2) 南中国におけるEASM降水量変動と黒潮強度変動の関係の探求、3) 東アジアにおける偏西風経路変動と本州日本海側降水史復元、から構成される。これらの成果を統合し、更に近年明らかにされつつあるインド−アフリカモンスーンや北米モンスーンの挙動と比較する事により、北半球モンスーンシステム間のリンケージを明らかにし、グローバルモンスーンダイナミクスの中で東アジアにおける水循環変動を理解する事を目指す。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

本研究は、3つのサブテーマからなる。その第一は「揚子江流域EASM多雨地域の変動と揚子江洪水史復元」で、そのために揚子江全流域(+黄河中下流域)の河川堆積物、懸濁物、河川水の試料採取、および洞庭湖、揚子江河口域における掘削を行う。第二は「EASM降水量変動と黒潮変動復元」で、そのために東シナ海の複数地点でピストンコアの採取を行う。第三は「偏西風経路変動と日本列島降水変動復元」で、日本海で既に採取されているピストンコアの利用、水月湖における掘削、コアの採取を行う。採取した試料は、堆積物の年代決定のために14C分析とOSL分析を、河川砕屑物や風成塵の供給源推定のためにESR分析、粒度分析、鉱物・化学分析を、表層水温推定のために有孔虫殻のMg/Ca分析や有機化学分析(Tex86)を、表層塩分推定のために有孔虫殻の酸素同位体分析を、そして黒潮変動復元のために微化石群集分析を行う。

今年度の研究概要

東シナ海北部において、完新世についてより時間解像度の高いコアを採取するために、「かいれい」および「淡青丸」による沖縄トラフ〜フィリピン沖の航海を実施する。採取されたコアのうち、特に東シナ海北部と南部のコアについて、14C分析を行い、年代モデルを確立する。

外部との連携

研究代表:東大地球惑星、多田隆治

関連する研究課題

課題代表者

内田 昌男

  • 地球システム領域
    動態化学研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(農学)
  • 化学,地学,理学
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