ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

遺伝子発現プロファイルに基づく植物のストレス診断と水稲葉枯症の原因究明(平成 24年度)
Stress diagnosis of plants based on the gene-expression profile and clarification of causal factors in Suitou-hagare-shou

予算区分
CD 文科-科研費
研究課題コード
1012CD015
開始/終了年度
2010~2012年
キーワード(日本語)
水稲葉枯症,ストレス診断,遺伝子発現,酸性霧,長崎県
キーワード(英語)
Rice Dieback (Suitou-hagare-shou), Stress Diagnosis, Gene Expression, Acid Fog, Nagasaki Prefecture

研究概要

長崎県高標高地域の水田で発症する水稲葉枯症の原因究明のための研究を、可視障害の発現、生理活性の変動および植物の遺伝子発現プロファイル解析に基づいて実施し、ストレス診断法の開発を目指す。これまでの研究で原因としての可能性が示唆されている、酸性霧、強光、オゾン等のストレス因子の単独および複合処理による環境制御実験を実施し、その影響解析を行うが、特にイネの遺伝子発現変化をマイクロアレイ法により計測し、我々の有するものを含めた既存データベースと相互比較する。その結果に基づいて、これらの条件下における遺伝子発現プロファイルを類型化し、特徴的な代謝変化やシグナル応答に関わる反応を抽出し、葉枯症の原因究明を試みる。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

環境制御装置を用いたストレス処理による葉枯症再現(2010〜2012)。酸性霧等のストレス処理による遺伝子発現変化プロファイルの計測(2010〜2012)。葉枯症発症と遺伝子発現変化プロファイルの解析(2011〜2012)。

今年度の研究概要

1. 環境制御装置を用いたストレス処理による葉枯症再現の試み
 昨年に引き続き、霧暴露装置を含む環境制御室を用いて、酸性霧および窒素栄養、強光、オゾン等の環境要因が、現地イネ品種の可視障害や生理機能、乾物生長に及ぼす単独・複合影響を検討する。得られた結果に基づいて、植物の受けたストレスの程度と各々の環境要因の影響を解析し、水稲葉枯症との関係を整理・考察する。
2. 酸性霧等のストレス処理による遺伝子発現変化プロファイルの計測
 これまでに得られた、中性および酸性霧処理に対するイネの遺伝子発現変化の計測結果を主な代謝系やストレスシグナル系等の機能グループごとに解析し、生理状態を把握するとともに、データベース上の情報と比較し、中性霧及び酸性霧に対する反応と他のストレス反応の違いや共通点を明らかにする。
3.  現地イネの葉枯症発症と遺伝子発現変化プロファイルの計測
 長崎県高標高地域で葉枯症を発症する水田を中心に、発症状況の異なるイネの葉における遺伝子発現変化を解析し、得られた結果を2.のチャンバー実験で得られた結果やデータベース上の情報と比較し、現地のイネが受けているストレスの種類と程度を推測して、葉枯症発症要因とそのメカニズムについて考察する。

外部との連携

(独)農業生物資源研究所

備考

共同研究機関:農業生物資源研究所(菊池尚志)

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題
  • 0 : 地域環境研究分野における研究課題

課題代表者

佐治 光

担当者

  • 清水 英幸
  • 伊藤 祥子