ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

ギシギシ亜属における絶滅危惧種・外来種間の交雑の生態的メカニズムの解明(平成 23年度)
A study on ecological mechanisms of hybridization among endangered native and alien species in Rumex

予算区分
AQ センター調査研究
研究課題コード
1114AQ001
開始/終了年度
2011~2014年
キーワード(日本語)
絶滅危惧植物,外来植物,交雑
キーワード(英語)
Endangered plant, Alien plants, hybridization

研究概要

外来生物との交雑は、遺伝子汚染や雑種との競争を通じて、在来生物の存続に大きな影響を及ぼす。外来種と在来種との間で交雑頻度が高い可能性が指摘されている分類群として、タデ科ギシギシ亜属が挙げられる。ギシギシ亜属の絶滅危惧種であるノダイオウおよび外来種エゾノギシギシ・ナガバギシギシを対象として、野外でのこれらの種の開花時期・生育環境がお互いに重複しているかどうかから、交雑の可能性を評価する。また、ギシギシ属植物は、倍数性系列が発達していることでも知られる。雑種は両親種の中間的な倍数性を示すので、野外に生育する個体の倍数性を分析し、どの種の間で交雑が起きているか、また、その頻度がどれくらいかを調査し、開花時期・生育環境から推定された交雑頻度と比較を行う。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:応用科学研究

全体計画

関西から東北の各地域で、ギシギシ類(絶滅危惧種ノダイオウ、在来種ギシギシ、外来種ナガバギシギシ、エゾノギシギシ、アレチギシギシ)の密度や種の分布パターンの異なる場所を数箇所選定し、葉のサンプリングを行う。フローサイトメトリーによって各個体の倍数性を明らかにし、それに基づいて交雑パターンの推定を行う。平成23年には、特にノダイオウの生育個体数が多い関東地方の渡良瀬遊水地において、開花時期・生育環境および花粉稔姓・結実率の調査を行う。平成24年・25年には開花時期等の調査地域を東北・関西に広げる。また、人工交配実験により、両親種の明らかな雑種を作成し、その開花期等の特性を調査する。

今年度の研究概要

ノダイオウの生育個体数が多い関東地方の渡良瀬遊水地において、開花時期・生育環境および花粉稔姓・結実率の調査を行う。サンプリングの際には、個体の位置と周辺に生育するギシギシ類の密度、生育環境(ヨシ原、道端、土手など)を記録し、また、光・温度環境の測定を行う。葉をフローサイトメトリーによって分析することで、核あたりのDNA量を計測し、倍数性を推定、形態とあわせて種の同定を行う。倍数性の分析によって明らかになった交雑パターンと生育環境の関係について検討を行う。

外部との連携

本研究課題は東北大学大学院生命科学研究科 牧雅之准教授、小林大輝氏、人間環境大学 藤井伸二准教授との共同研究として行う。

備考

旧課題コード 0910AE005

関連する研究課題
  • 0 : 生物・生態系環境研究分野における研究課題

課題代表者

石濱 史子

  • 生物多様性領域
    生物多様性評価・予測研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(学術)
  • 生物学
portrait