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グリーンサプライチェン・マネジメントの日中製造業間の国際展開モデルの構築(平成 23年度)
An empirical study on diffusion models of green supply chain management among Chinese and Japanese industrial sectors

予算区分
LA 共同研究
研究課題コード
0911LA001
開始/終了年度
2009~2011年
キーワード(日本語)
グリーンサプライチェンマネジメント(GSCM),GSCM展開モデル,因果関係モデル,伝染病モデル,プロビッドモデル
キーワード(英語)
Green supply chain management, Diffusion model of GSCM, Causal relation model, epidemic model, probit model

研究概要

 国境を超えた生産連携の進む日中の生産セクターに注目し、日中の製造業と素材生産業を含む企業とを対象とする研究プラットフォームを活用して、そのグリーンサプライチェーンマネジメント(以下 GSCM)の横断的な実証解析に基づいて、先進的なGSCMが資材の調達連鎖と業種間連携を通じて、拡大展開するアジアの統合型GSCM展開モデル(Diffusion model)を検討する。
 日中双方の研究者が行っている企業調査と集中的な相互交流をもとに、1.GSCMの統合型展開モデルの理論フレームを検討して、2.その検証に向けての国際基準となりうるGSCMの企業調査フォーマットを設計する。3.そのうえで、国際市場に強い影響力を持つ日中連携の強い生産製品を対象の調査を通じて、素材生産から部品加工、組み立て、流通のネットワークでのGSCMの展開モデルを検証する。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:行政支援調査・研究

全体計画

 日中研究者間の企業の環境配慮型生産プロセスの研究実績を共有したうえでGSCMの展開とその波及的展開の理論モデルを構築して、その解析のための企業調査の国際標準フォーマットを設計する。その上で、日中の拠点的な産業地域として日本の京浜工業地帯と中国の大連市・遼寧省の工業開発区を対象にして、イノベーション展開理論に基づいたGSCMの展開に関する理論モデルの検証を行う。
 1)GSCMの展開に関する理論モデルの設計
 GSCMの展開に関する因果関係モデル(Causal relation model)の枠組みを構築し、ISM法(Interpretive Structural Modeling:階層構造化手法)を用い、GSCM展開の要素、プロセスの解析を行い、企業間のGSCM展開モデル(diffusion model)を構築する。
 2)GSCMの発展と展開に関する解析調査フォーマットの設計
 システム理論に基づき、外部促進要因、内部資源を操作変数としGSCM展開を促進する要素を抽出する因果関係モデルを開発する。制度理論に基づいて促進要因/阻害要因の検討・項目抽出を行い、内部資源論に基づき内部資源/キャパシティの検討・項目抽出を行い、企業調査アンケートの国際共通フォーマットを設計する。
 3)日本と中国の企業を対象にするGSCMの展開モデルの検証
 既に実施している日中の製造業のGSCMに関する調査データ(300余りの中国企業は実施済み、日本企業100社を予定)を活用し、GSCM展開に関する因果関係モデルを検証する。さらに調査データと因果関係モデルを用いてGSCMの展開モデルの検討を行う。
 4)GSCMの動的展開モデルの検討
GSCMの展開に関する動的な展開モデル(展開の予測モデル)の理論フレームを構築する。日本の系列企業の経験を整理し、GSCM展開の促進要因/阻害要因に関する収集データから、GSCMの展開に関する「伝播モデル(企業のGSCM実践の他社への伝播過程を伝染病の伝播過程になぞらえて説明するモデル)」を検討する。さらに、企業のGSCM実践の確率分布を分析し、GSCMの展開要因を説明する「プロビット行動モデル(GSCM実施・非実施の要因について促進要因/阻害要因を説明変数として説明するモデル)」を検討する。さらに、これらを踏まえGSCMの動的展開モデルの検討を行う。

今年度の研究概要

統合型グリーンサプライチェーンマネジメント(以下GSCM)展開に関する解析調査フォーマットの設計、GSCMの展開モデルの検証
○システム理論に基づき、外部促進要因・内部資源を操作変数とするGSCM展開に関する因果関係モデルを開発する。
○制度理論に基づき促進/阻害要因の項目を検討・抽出し、内部資源論に基づいて内部資源/キャパシティの項目を検討・抽出する。既存の中国企業を対象にした大連理工大学のアンケートを共有し、企業調査アンケートの国際共通フォーマットを設計する。日中双方が各自で企業調査を実施し、環境マネジメント国際ワークショップ(日本において)を開催し、調査データの共有を行う。
*国際ワークショップの開催と研究交流
○日本と中国企業に対する調査結果を活用し、GSCM展開に関する因果関係モデルを検証する。調査データと因果関係モデルを用いてGSCM展開モデルを検証する。日中双方が日本において、環境マネジメント専門家ワークショップを開催し、GSCM展開モデルに関する意見交換を行う。
*国際ワークショップの開催と研究交流

備考

中国NSFCとの共同研究

課題代表者

藤田 壮

担当者

  • 孫 穎
  • 陳 旭東
  • 徐 開欽
  • 藤井 実社会システム領域
  • 大西 悟