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海産生物に及ぼす内分泌かく乱化学物質の影響に関する研究(平成 22年度)
Effects of endocrine disrupting chemicals to marine organisms

予算区分
AE 経常
研究課題コード
0610AE558
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
海産生物,巻貝類,内分泌かく乱,インポセックス,生殖不全
キーワード(英語)
MARINE ORGANISMS, GASTROPODS, ENDOCRINE DISRUPTION, IMPOSEX, REPRODUCTIVE FAILURE

研究概要

 内分泌かく乱化学物質が生物に及ぼす影響は、野生生物のうち、特に巻貝類で明瞭である反面、その他の生物では必ずしも明瞭でない。しかしながら、その一方で、海産生物の生息量(資源量)は、近年、多くの種で減少傾向にあり、その原因は不明のままである。したがって、巻貝類においてはモニタリング調査を中心にその回復過程を追跡するとともに、その他の海産生物に対してはその生息量(資源量)の減少に内分泌かく乱化学物質やその他の要因がどの程度寄与してきたのかを明らかにするためのより詳細な調査・解析あるいは実験的検討が必要である。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:モニタリング・研究基盤整備

全体計画

 有機スズ化合物によって巻貝類に引き起こされるインポセックス現象に注目し、イボニシを指標種として全国規模の実態調査を継続する。また、日本よりも有機スズ汚染の改善が遅れている韓国においてもイボニシを対象とした実態調査を行う。また、有機スズ全廃条約が2001年10月に国際海事機構で採択されたものの発効したのが2008年9月17日であることに鑑み、アジア太平洋域における巻貝類の実態調査も実施する。一方、有機スズ汚染がその資源量減少に一定の寄与をしてきたと疑われるアワビ類の資源回復に向けた漁場環境調査、性成熟調査、繁殖能力評価、幼生・稚貝調査なども実施する。さらに、その他の海産生物(二枚貝、魚類など)に対する調査も行う。

今年度の研究概要

 イボニシを対象とした国内及び韓国における実態調査を継続して実施する。アワビ類の内分泌攪乱に関する全国調査で得た標本の生殖巣組織検査及び化学分析の結果を取りまとめ、アワビ類資源の減少に有機スズ汚染がどの程度寄与してきたかに関する検討も継続する。有機スズ曝露を受けたアワビ親貝の産卵、受精、胚発生、孵化、浮遊〜着底に至る各過程に及ぼす影響評価のための再実験に取り組むとともに、放流貝が天然のアワビ類資源の形成にどの程度寄与してきたかに関する検討を神奈川県水産技術センターなどとの共同研究として進める。

備考

旭 隆(神奈川県水産技術センター)
趙 顯書(国立全南大学校,韓国)
Lee Jae-Seong(Hanyang University, Korea)
Kenneth Leung(University of Hong Kong, Hong Kong)
Richard Lim(University of Technology, Sydney, Australia)
Louis Tremblay(Landcare Research/CENTOX, New Zealand)
Sónia Mendo(University of Aveiro, Portugal)
Carlos Miguez(University of Aveiro, Portugal)

関連する研究課題
  • 0 : 環境リスク研究センターにおける研究活動

課題代表者

堀口 敏宏

  • 環境リスク・健康領域
    生態系影響評価研究室
  • 室長(研究)
  • 博士(農学)
  • 水産学,生物学,解剖学
portrait

担当者

  • 白石 不二雄
  • 白石 寛明