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アジア視点の国際生態リスクマネジメント(平成 21年度)
Global Eco-Risk Management from Asian Viewpoints

予算区分
ZZ 文科-グローバルCOE
研究課題コード
0712ZZ001
開始/終了年度
2007~2012年
キーワード(日本語)
ガス化-改質,炭化,侵略的外来生物,生物地理学,分子生態学
キーワード(英語)
GASIFICATION AND REFORMING, CARBONIZATION, INVASIVE ALIEN SPECIES, BIOGEOGRAPHY, MOLECULAR ECOLOGY

研究概要

 国立大学法人横浜国立大学が文部科学省から採択されたグローバルCOEプログラムでは,国立環境研究所と連携し,人口増加や経済発展に伴って生態系の破壊と生態系サービスの劣化が著しいアジア発展途上国等の生態リスクの適切な管理に貢献するため,(1) 国連ミレニアム生態系評価(MA)にアジア視点を加えた国際的なリスク管理の理念・基本手法・制度を解析して提示するとともに,(2) アジア等の森林植生・土壌・沿岸域等の生態系機能を調査・解析して外来生物管理を含めた具体的な順応的リスク管理手法を提示し,(3) 農薬・肥料・有害物質管理,バイオマス高度利用,遺伝子操作作物利用,廃棄物循環利用等,具体的実践的なアジア途上国の生態系サービスのリスク管理手法を開発・応用し,(4) これらの「基礎研究」と具体的な「事例応用研究」,新たな政策アイデアに基づく「社会制度提案」の3者を繋げる研究者・行政・企業・市民のネットワークを国際的に構築し,それらを基に,�若手研究者等の国際的な人材育成拠点形成を目的とする。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

H19年度:国連ミレニアム生態系評価(MA)にアジア視点を加えた国際的なリスク管理の理念・基本手法・制度を解析して提示することへの準備を進め,2010年生物多様性条約締約国会議に向けた国内の連携体制を構築する。
H20年度:国際的なリスク管理の理念・基本手法・制度を解析して提示する準備を進め,その成果を2008年10月の世界水産学会議などを通じて国際ネットワーク作りに取り組むとともに2010年生物多様性条約締約国会議に向けた国内の連携体制を構築する。

今年度の研究概要

・理念・方法論研究教育グループ(江守・田中・林)
 人為起源ならびに自然起源の気候変動に伴う様々なリスクの評価,特に生態系に対するリスクの評価に関する検討に参加する。(江守)
 評価基準として採用する生態系機能として,栄養転換効率に加えて,一次生産力に着目した評価システムを研究する。そのために,植物プランクトンの機能形質を主要な種(属レベル)で整理し,種構成とバイオマス密度から単位表面積あたり1次生産力の環境応答を予測する方法を考案する。また,栄養転換効率が生態系機能としてなぜ重要であるか,分解系と生食連鎖とのバランスの観点から明らかにするために,3栄養段階に腐食連鎖を加えた5コンパートメントモデルで栄養転換効率と水質汚濁との関係を数理モデルによって研究する。DEB (dynamic energy budget model) を利用した暴露濃度変動下での個体群影響予測モデル,生態毒性の予測値と実測値が混在する場合の無影響濃度の算出法など,生態リスクの統計的推定法の研究を行う。(田中)

・生態系機能教育研究グループ(五箇・井上)
 外来アリ類,カエルツボカビの世界的蔓延にかかる,生態的,社会的,および経済的要因について解析を進める。特にWTOや世界の農産物・天然資源輸送ルートの動向と分布拡大プロセスの因果関係の解明を図る。また,外来種の定着・分布拡大と人為環境かく乱の関係を定量的に把握し,一般化を図る。

・生態系サービス教育研究グループ(川本・黄)
 20年度の研究に続いて廃木材,バイオマスと樹脂成分の構成割合が異なる2種の廃棄物,非食品系の植物種など廃棄物系バイオマスに対して熱分解・ガス化を行い,その際,運転パラメータであるキャリヤーガス(窒素,窒素+水蒸気)と温度(500〜900℃)の条件によって得られた各種炭化物について比表面積,細孔分布,吸着容量などの物理的特性を評価することにより,燃料および素材として高度利用が可能な炭素材料となる炭化物を得る新規かつ効率的な方法を構築することを目標とする。

備考

プロジェクトリーダー:松田裕之(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授)
プロジェクトメンバー:鈴木邦雄(横浜国立大学理事(教育担当副学長)・環境情報研究院・教授),伊藤公紀(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),及川敬貴(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・准教授),加藤峰夫(横浜国立大学 国際社会科学研究科(国際開発)・教授),金子信博(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),有馬 眞(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),藤原一繪(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),小池文人(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・准教授),雨宮 隆(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・准教授),菊池知彦(横浜国立大学 教育人間科学部(自然環境講座)・教授),佐土原聡(横浜国立大学 環境情報研究院(人工環境と情報部門)・教授),益永茂樹(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),嘉田良平(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),藤江幸一(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),亀屋隆志(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・准教授),本田 清(横浜国立大学 工学研究院・准教授),平塚和之(横浜国立大学 環境情報研究院(自然環境と情報部門)・教授),本藤祐樹(横浜国立大学 環境情報研究院(社会環境と情報部門)・准教授)

関連する研究課題
  • 0 : 領域横断的な研究活動

課題代表者

川本 克也

担当者