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近未来の資源循環システムと政策・マネジメント手法の設計・評価(平成 20年度)
Designing and evaluating material cycles systems and policy/management techniques for the near future

予算区分
AA 中核研究
研究課題コード
0610AA201
開始/終了年度
2006~2010年
キーワード(日本語)
物質フロー分析,産業連関分析,ライフサイクルアセスメント,環境会計,循環指標,ベンチマーキング,ライフサイクルコスト分析,技術システム評価,消費モデル,リサイクル制度,政策評価
キーワード(英語)
MATERIAL FLOW ANALYSIS, INPUT-OUTPUT ANALYSIS, LIFE-CYCLE ASSESSMENT, ENVIRONMENTAL ACCOUNTING, INDICATORS FOR MATERIAL CYCLES, BENCHMARKING, LIFECYCLE COST ANALYSIS, TECHNOLOGY SYSTEM ASSESSMENT, CONSUMPTION MODELING, LEGISLATIVE RECYCLING SYSTEM, POLICY EVALUATION

研究概要

近未来における循環型社会の形成を目指し,日本社会がどのような方向に行っても,持続可能 な資源利用と廃棄物管理が達成された循環型社会のビジョンと必要な対策パッケージを提示する。具体的には,
(1) 10〜20年後の社会条件の変化(社会シナリオ)との因果関係から循環資源・廃棄物の物質フローの変化を予測して,資源循環の指標群や定量的な目標の設定のもとに,それを達成するための循環型社会ビジョンを提示する。
(2) 地域から国レベルの具体的な技術システムと政策・マネジメント手法を含む社会経済システムに関する具体的な対策を検討し,その実現可能性と効果を評価することによって,循環型社会ビジョン実現のための対策パッケージを示す。

研究の性格

  • 主たるもの:政策研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

平成18年度は,様々な社会条件の変化とそれに伴う物質フローの変化に関する定性的な因果関係を網羅的に整理し,これらの変化を定量的に表現するための手法について検討する。資源循環技術システムを循環資源・廃棄物の種類,空間的特性,技術の原理などによって類型化し,国内外のレビューを行い,評価の対象とする近未来のシステムの一次的な設計を行う。国と自治体において各種法制度・政策の下で進められている取り組みの効果を計測し,国外の諸制度との比較考察などを含めて実態を明らかにする。また,循環・廃棄物マネジメントを支援するための指標・勘定体系における現状の課題を整理し,不足している事項について指標の作成や勘定項目の検討を行う。
 平成19年度は,物質フローの変化に至る因果関係を表す定性的なロジックモデルを精緻化するとともに,いくつかの社会条件の変化シナリオについて,定量的な物質フロー予測モデルの開発を検討する。類型毎に設計した近未来技術システムについて,構成する技術プロセスについてのLCA/LCCのためのデータを集積するとともに,いつくかのシステムについて評価を行う。また,技術システムづくりのための短期的な誘導政策について検討する。各種法制度・政策に基づく取り組みの実態を継続して調査し,その効果ならびに有効性を評価する。また,指標の作成や勘定項目の検討を継続して行い,地域レベルでの適用可能性についてのケーススタディを通して指標・勘定の体系化などにつなげる。
 平成20年度は,様々な社会条件の変化シナリオについて定量的な物質フロー予測モデルを開発し,予測を試みることによって,可能な限り定量的に近未来の課題を抽出するとともに,近未来の具体的な戦略指標・目標とそれを実現するための循環型社会ビジョンについて検討する。また,ビジョン実現のための対策パッケージについて網羅的に抽出し,それぞれの実効性に関する緻密な状況分析と評価を行う。その過程で,技術システムに関するデータの集積,精緻化を図り,LCA/LCC等の手法により評価を実施するとともに,政策手法に関する検討を行う。
 平成21年度は,対策パッケージの中で有効な対策に絞り,具体的な技術システムの設計と政策手法提示のために検討を精緻化する。それによって,効果を定量的に予測するモデル構築を本格化させる。同時に,戦略的な目標設定のための指標と数値目標の詳細な検討を行い,合理的な目標の設定を行う。
 平成22年度は,最終的に資源効率や環境効率の観点から望ましい近未来の循環型社会ビジョンとその実現のための対策パッケージ(技術システムと政策手法),時系列的なロードマップを提示する。

今年度の研究概要

(1)近未来の物質フロー予測のベースとなる社会条件の変化シナリオを描き,物質フローとの因果関係に関するモデルを基に主要な資源についての近未来の物質フローの予測を行うモデル作成を行う。また,循環型社会のビジョンをワークショップ等を通じて検討し提示する。ビジョン実現のために有効な対策を挙げて,天然資源消費等削減効果を予測するモデルを構築する。
(2)個別の対策について,その実効性に関する具体的な状況分析と評価を技術システムと社会経済システムの両面から行う。技術システム評価においては,投入・産出に関する物質のインベントリーデータ整備とライフサイクルアセスメント等の手法を用いた評価を実施する。
(3)社会経済システムとしての政策設計・評価に関しては,国の個別リサイクル制度については,引き続き制度調査,実態評価,個別施策対応といったボトムアップ型の研究を行う。特に,デポジット制度の類型化や個別リサイクル法で対象となっていない品目で今後の規制等が求められるものについて検討を行う。

課題代表者

大迫 政浩

  • 資源循環領域
  • 領域長
  • 工学博士
  • 工学
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担当者