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生体内におけるヒ素の酸化還元と解毒機構の解明(平成 20年度)
Redox and detoxification mecanism of arsenic.

予算区分
KZ その他公募
研究課題コード
0809KZ002
開始/終了年度
2008~2008年
キーワード(日本語)
ヒ素,代謝,酸化還元,解毒,化学形態別分析
キーワード(英語)
arsenic, metabolism, redox, detoxification, speciation

研究概要

途上国最大の環境問題のひとつにもなっている無機ヒ素化合物は、発癌も含む多臓器疾患を起こすことが知られている毒物である。ヒ素はその化学形によって、細胞内への取り込み、排泄、毒性などが大きく異なるが、ヒ素の代謝に関しては未だ不明な点が多く残されており、毒性の本質も未だに不明のままである。申請者らは以前、尾静脈投与されたラットの胆汁中で検出されたヒ素−グルタチオン (As-GSH) 抱合体が胆汁中で3価ヒ素化合物へと加水分解され、さらに5価へと酸化されることを明らかにした。このことから、3価ヒ素化合物の酸化がヒ素の解毒に関与していると推定した。本研究は、ヒ素の代謝と体内動態を分析毒性学的手法を用いて明らかにし、環境汚染物質であるヒ素の毒性発現機構および解毒機構をヒ素の酸化還元という観点から解明することを目的としている。

研究の性格

  • 主たるもの:基礎科学研究
  • 従たるもの:技術開発・評価

全体計画

・ラットに0.2 mg As/kgまたは2.0 mg As/kgの亜ヒ酸(対照群には生理食塩水)を投与した後、経時的に胆汁を採取し試料中の過酸化水素濃度を測定する。また、総ヒ素濃度およびヒ素の形態分析、GSH濃度の測定もあわせて行う。
・胆汁中におけるAs-GSH抱合体の酸化機構の解明
無処理のラットから採取した胆汁と熱処理、カタラーゼ処理、透析を行った後の胆汁を用いてAs-GSH抱合体の安定性を比較する。

以上の研究を実施することにより、ヒ素の解毒に関与する因子を推定し、解毒機構を明らかにする。

今年度の研究概要

ヒ素は化学形態により細胞への取り込み、排泄、毒性などが大きく異なる。当該研究は生体内におけるヒ素の酸化・還元状態がヒ素の毒性発現および解毒に関与していると推定し、ヒ素の解毒機構を明らかにすることを目的としている。

関連する研究課題
  • 0 : その他の研究活動

課題代表者

小林 弥生

  • 環境リスク・健康領域
    曝露動態研究室
  • 主幹研究員
  • 博士(薬学)
  • 薬学,化学
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