- 予算区分
- AG 特別研究
- 研究課題コード
- 0811AG001
- 開始/終了年度
- 2008~2011年
- キーワード(日本語)
- 湖沼,溶存有機物,難分解性DOM,有機物循環,微生物生態系
- キーワード(英語)
- lake, dissolved organic matter, recalcitrant DOM, organic matter cycling, microbial ecosystem
研究概要
湖沼において有機物と微生物生態系(バクテリア)等の相互作用を評価する。長期モニタリングデータ(組成,分子サイズ,同位体比等)解析から,湖沼流域における有機物の循環とDOMの難分解性化メカニズムを明らかにする。流域河川流出モデルと生態系を考慮した湖内3次元モデルを組み合わせて,湖内の特定地点において,流域の個々の特定発生源や湖水域毎の内部生産源からの寄与を定量的に算定する。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
初年度に新規分析法やモデル開発を重点的に実施する。霞ヶ浦流域を対象としたサンプル採取は,基本的に3年間実施する。モデル解析は各事業(下水処理水量増大,浚渫,導水等)の影響評価を初年度から実施する。流域モデルと湖内モデルを使った解析は2年目の後半から実施予定。アオコ発生に係るモデル解析は3年目に実施する。霞ヶ浦以外の湖沼におけるDOM特性評価は,初年度から積み上げ的に実施する。
2008年は,細菌と藻類の生産速度測定法の開発と確立。アオコ用プライマーの設計と作成。流域水文モデル等の開発。2009年は,細菌と藻類の生産速度の変動測定。DOM難分解性化メカニズム検討実験の実施。アオコ形成藻類の動態等の測定。湖沼特性とDOM特性の関係評価。流域水文モデル検証と局所的発生源寄与に対応する湖内モデルの開発・検証。2010年以降は,引き続き前年度のテーマを進展。アオコ形成藻類の鉄を含む増殖モデルの開発とアオコ優占機構のモデル解析。湖沼特性とDOM特性の関係評価。モデル解析による発生源負荷のピンポイント算定。湖沼対策の効果算定。全体のまとめ。
今年度の研究概要
本年度は,バクテリアの2次生産速度を,放射性同位体を用いずに測定する方法を開発・確立する(ブロモデオキシウリジン取り込み)。水サンプル中の光学異性体別アミノ酸組成を分析する手法を確立する。放射性同位体を使用しないFRRF(fast repetition rate fluorometer)法による1次生産量測定法を検討する。霞ヶ浦や流域河川でサンプルを採取して,DOM,難分解性DOM,栄養塩,底泥溶出フラックス,および有機物特性(分解性,分画分布,サイズ,アミノ酸組成,炭素同位体比等)を評価する。
- 関連する研究課題
- 0 : 領域プロジェクト