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臭素系・非臭素系難燃剤の物理化学パラメータの測定および推算モデルの開発(平成 18年度)
Measurements of physicochemical properties of brominated and nonbrominated flame retardants and development of prediction model for their properties.

予算区分
BE 環境-廃棄物処理
研究課題コード
0608BE992
開始/終了年度
2006~2008年
キーワード(日本語)
臭素系・非臭素系難燃剤,水への溶解度,オクタノール/水分配係数,ヘンリー定数,融解エンタルピー,融点,UNIFAC
キーワード(英語)
BROMINATED AND NONBROMINATED FLAME RETARDANTS, WATER SOLUBILITY, OCTNANOL/WATER PARTITION COFFICIENT, HENRY'S LAW CONSTANT, ENTHALPY OF FUSION, MELTING POINT, UNIFAC

研究概要

 廃家庭製品に含有される臭素系難燃剤(BFR)や重金属類等の残留性化学物質について、物質代替、回収、再生などの3Rシナリオを検討するには、BFRおよびBFRを代替する非臭素系難燃剤(非BFR)の物理化学パラメータを環境動態モデルへ適用し、それらの環境動態を把握する必要がある。しかし、これらの難燃剤の水への溶解度やオクタノール/水分配係数などの物理化学パラメータに関する実測データが少ないことから、それらのパラメータを実測するとともに、パラメータを推算するためのモデルを開発し、その有用性を評価する。

研究の性格

  • 主たるもの:モニタリング・研究基盤整備
  • 従たるもの:基礎科学研究

全体計画

 BFRおよび非BFRの水への溶解度、オクタノール/水分配係数などの物理化学パラメータを測定すると同時に、それらの熱物性なども測定し、様々な物理化学パラメータを導出する。さらに、UNIFACモデルをベースに物理化学パラメータの推算法を開発し、その有用性を評価する。平成18年度は、デカブロモジフェニルエーテル(DBDE)代替のBFRを中心とした物理化学パラメータの測定を行い、特に異性体が存在するBFRや解離基を有するBFRについては、それらがパラメータの値に与える影響を明らかにする。 平成19年度は、蓄積性の高いBFRおよびリン酸系の非BFRを中心とした物理化学パラメータの測定を行う。また、DBDE代替のBFRへ対応した推算モデルの開発と評価を行うとともに、前年度から蓄積したパラメータ値を環境動態モデルへ適用することを試みる。平成20年度は 非BFRに対応した物性推算モデルの開発と評価を行い、BFR・非BFRについて質の高い物理化学パラメータのデータベースを構築する。また、難燃剤を含む高分子材からの大気や水への放出ポテンシャルを推定する。

今年度の研究概要

 ヘキサブロモシクロドデカン(HBCD)、トリブロモフェノール(TBP)などのBFRを対象として、ジェネレータカラム法またはフラスコ法によりそれらの水への溶解度を測定し、スロースターラー法またはフラスコ法を用いてオクタノール/水分配係数を測定する。さらに、示差走査型熱量計を用いてそれらの融点や融解エンタルピーの測定を行い、ヘンリー定数を導出し、それらの環境分配特性を考察する。また、HBCDについては、異性体が存在することから、異性体ごとのパラメータ値の差異や異性体混合物の場合のパラメータ値の変化を調べる。一方、フェノール基を有するTBPについては、pHを変化させ、フェノール基の解離がパラメータ値に与える影響を明らかにする。

備考

廃棄物科学処理等科学研究費
課題代表者:京都大学環境保全センター 酒井伸一教授

関連する研究課題
  • 0 : 重点2循環型社会研究プログラムに係わるその他の活動

課題代表者

倉持 秀敏

  • 資源循環領域
  • 副領域長
  • 博士(工学)
  • 化学工学,化学,工学
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