- 予算区分
- CD 文科-科研費
- 研究課題コード
- 0405CD390
- 開始/終了年度
- 2004~2005年
- キーワード(日本語)
- フライウェイ, 中継湿地, 水鳥, 水草, 渡り, 海産植物, アオサ類, コカナダモ
- キーワード(英語)
- FLYWAY, TAGING WETLAND, WATERBIRDS, AQUATIC MACROPHYTES, MIGRATION, MARINE PLANTS, ULVA SP., ELODEA NUTTALII
研究概要
淡水、海水を問わず、水生植物の分布に水鳥が寄与している可能性についてはHutchinson(1975)を始め古くから指摘されてきたが実証的な研究はほとんど行われてこなかった。本研究では水鳥の渡りを介しての種の遺伝的交流の可能性とその程度を評価する。また水鳥、特に冬鳥として日本に飛来するガンカモ類等は体も大きく、一時期に集中して水域に飛来することで湖沼生態系に及ぼす影響は極めて大きいことが予想される。本研究では「フライウェイで結ばれた湖沼群」の植物相レベル、栄養塩レベルでの評価を多面的に行うことを目的とする。
研究の性格
- 主たるもの:基礎科学研究
- 従たるもの:応用科学研究
全体計画
ふん解析や栄養塩への影響探索を通じて、最終的に水鳥の渡りや移動が湖沼の物質循環および水草相へ与える影響を評価する。全国へ侵入した北米原産の水草で帰化種であるコカナダモや海藻アオサの一種を例にとり、その分布パターンや遺伝的多様性、および物質循環への寄与を解析することで水鳥の渡りとの関係を考察する。
今年度の研究概要
ガン類、カモ類、魚食性鳥類の排泄物中の栄養分析を行い、排泄物による栄養分輸送に関する特徴を明らかにし、その特徴が生息環境に及ぼす影響を考察する。水草の移動に関しては、水鳥のふん採集および内容物調査とそこからの発芽実験を中心に進める。コカナダモについては遺伝的多様性に加えて、生理的な多様性を評価し、特定のクローンのみが琵琶湖に優占した理由を探索する。アオサについては特定水域における異常増殖現象について、鳥類相との関係から研究を進める。
備考
共同研究者:浜端悦治(滋賀県琵琶湖研究所),神谷要((財)中海水鳥国際交流基金財団米子水鳥公園),石井裕一(茨城県霞ヶ浦環境科学センター),中村雅子(島根大学)当課題は重点研究分野?.4.(2)にも関連