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大気境界層の高頻度観測による大陸上CO2の挙動と輸送に関する研究(平成 16年度)
A study on transportation of atmospheric CO2 by high-frequency observation in the continental planetary boudary layer.

予算区分
BB 環境-地球一括
研究課題コード
0406BB430
開始/終了年度
2004~2006年
キーワード(日本語)
二酸化炭素,大気境界層,大陸
キーワード(英語)
CO2,PLANETARY BOUNDARY LAYER,CONTINENT

研究概要

本研究では森林地帯上空において小型航空機を用いた大気中CO2濃度の詳細な観測を高頻度で行い、大陸上におけるCO2濃度の時間的かつ空間的な代表となる値を長期観測し、モデルを用いたCO2の吸収・放出量推定に資する信頼度の高いデータを得ることを目的とする。観測は特に大気境界層とその直上の自由対流圏との差に注目し、大気輸送モデルの最大の欠点の一つである境界層上端を通したCO2の輸送を定量的に把握することも期待される重要な成果である。またCO2濃度と同時にCO2の同位体比も高頻度観測し、境界層輸送過程に新たな制約を加えることも目標にしている。

研究の性格

  • 主たるもの:応用科学研究
  • 従たるもの:

全体計画

シベリアを代表する2つの森林地帯上空における植生や混合層発達過程に影響されたCO2濃度の変動を定性的に明らかにするために、ロシア共和国西シベリアのベレゾレチカ村(56度N, 84度E)周辺と、東シベリアのヤクーツク(62度N, 130度E)郊外上空において小型航空機を用いて下部対流圏のCO2濃度とその同位体比の高頻度観測を行う。ベレゾレチカ村周辺の森林地帯は主にシベリアアカマツに覆われており、永久凍土層は存在せず、年間降水量は500mmほどである。一方ヤクーツク周辺の植生は主にカラマツで地中には永久凍土層が存在し、年間降水量はわずかに200mm程度である。両者は亜寒帯の代表的な森林であり、かつ水環境が大きく異なることから相互比較によって重要な知見が得られると期待される。観測は定期観測を1年に約40回、日変動をとらえるための集中観測を1年に2回から3回実施する。ベレゾレチカにおける観測は2004年度から開始し、3年間実施する。ヤクーツクにおいては2004年度に現地調査を行い、2005年度からの観測を目指す。

今年度の研究概要

ベレゾレチカ村上空で観測に使用している簡易型CO2測定装置の改良を行うと共に自動サンプリング装置を設置し、定期観測を開始する。ヤクーツク近郊で使用可能な小型航空機を調査すると共に周辺の森林地帯の中で飛行可能で観測に適した候補地を選定する。ヤクーツク上空の観測に使用する簡易型CO2測定装置と自動サンプリング装置を製作する。

課題代表者

町田 敏暢

  • 地球システム領域
    大気・海洋モニタリング推進室
  • 室長(研究)
  • 博士(理学)
  • 理学 ,地学,物理学
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担当者