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2004年6月29日

平成15年度における環境配慮に関する取り組み状況

独立行政法人 国立環境研究所


国立環境研究所は、地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全に関する調査及び研究を行うことにより、環境の保全に関する科学的知見を得、及び環境の保全に関する知識の普及を図ることを使命としている。

当研究所では、この使命のもと、自らの活動における環境配慮が良好な環境の保全と創出に寄与するための具体的な実践の場であるとの認識に基づき、環境配慮に関する取組を進めている。

平成15年度においては、環境管理委員会への廃棄物管理専門委員会及び省エネルギー小委員会の設置、化学物資管理小委員会と安全管理委員会の統合等、前年度に強化した環境管理体制を活かして、環境憲章に基づき、環境配慮に関する取組みの着実な実施を図った。(参考資料1)

以下、その概要について報告する。

1. 省エネルギー等の取組

省エネルギー等の計画的推進のため、「国立環境研究所省エネルギー等計画」に基づき、研究計画との調整を図りつつ例年を上回る大型実験施設の計画的休止及びエネルギー管理の細かな対応等に取り組んだ。また、夏期冷房の室温設定を28℃、冬期暖房の室温設定を19℃に維持することを目標とした。(参考資料2,3)

省エネ対策として、15年度には省エネ機器として、省エネ型ターボ冷凍機、大型ポンプへのインバータ装置を導入した。また、窓ガラスに断熱フィルムを貼る等の省エネ対策を講じた。さらに主要各施設に積算電力計及び積算流量計(冷水・蒸気)を取り付け、エネルギーの細かな管理に努めた。また、環境配慮の面から更なる省エネを図るためのESCO事業の導入の準備を行った。

*ESCO(Energy Service Company)事業
工場やビル等のショウエネルギーに関する包括的なサービスを提供し、それまでの環境を損なうことなく省エネルギーを実現し、さらには、その結果得られる省エネルギー効果を補償する事業

平成15年度における光熱水量の実績は、下表のとおりであった。

電気・ガスのエネルギー消費量は、上記の取組により改善が見られ、年間実績としては対12年度比・床面積当たりで6%の減少となり、計画目標(12年度比・床面積当たり90%以下)に近づいた。

一方、上水使用量については、12年12月に一般実験廃水の再利用施設を整備し、13年度以降本格的に稼働したことにより、年々効果がみられ15年度には対12年度比・床面積当たりで23%の減少となり、計画目標 (12年度比・床面積当たり10%以上の削減)を大幅に上回る効果であった。

表1 エネルギー消費量及び上水使用量

年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
項目
エネルギー消費量 電気 274,075 GJ 312,771 GJ 339,458 GJ 322,832 GJ
ガス 176,084 GJ 215,709 GJ 254,076 GJ 217,831 GJ
合計 450,159 GJ 528,480 GJ 593,534 GJ 540,663 GJ
床面積当りエネルギー消費量(対12年度増減率) 7.4394 GJ/m2
(100)
7.3508 GJ/m2
(99)
7.6451 GJ/m2
(103)
6.9641 GJ/m2
(94)
上水使用量 148,054 m3 155,992 m3 157,807 m3 147,112 m3
床面積当り上水使用量(対12年度増減率) 2.44 m3/m2
(100)
2.16 m3/m2
(89)
2.03 m3/m2
(83)
1.89 m3/m2
(77)
(参考)延床面積 60,510 m2 71,894 m2 77,636 m2 77,636 m2
新規稼働棟   地球温暖化研究棟環境ホルモン研究棟 循環・廃棄物研究棟環境生物保存棟  
 

なお、地球温暖化対策推進法に基づく政府の温室効果ガス排出抑制等に関する実行計画(平成18年度までに対13年度比で総排出量の7%削減)が14年7月に策定されたことから、研究所における15年度の二酸化炭素排出量を算定したところ、政府実行計画と同じ指標の対13年度比・排出量では2%の増加、同・床面積当たりでは7%の減少であった。(参考資料4)

今後、省エネ計画の推進等により、更なる排出削減を図りたい。

表2 CO2 排出量の推移

年度 平成12年度 平成13年度 平成14年度 平成15年度
項目
CO 2 排出量 電気 8,556 t 9,764 t 10,597 t 10,078 t
ガス 9,048 t 11,089 t 13,061 t 11,198 t
その他 35 t 35 t 49 t 58 t
合計 17,639 t 20,888 t 23,707 t 21,334 t
対13年度増加率   (100) (114) (102)
床面積当りCO 2 排出量
(対13年度増減率) 注)
0.29 t/m2 0.29 t/m2
(100)
0.30 t/m2
(103)
0.27 t/m2
(93)
(参考)延床面積 60,510 m2 71,894 m2 77,636 m2 77,636 m2
 

注.増減率は、政府事項計画に準じて平成13年度を基準として示した。

2. 廃棄物・リサイクルの取組

「廃棄物・リサイクルに関する基本方針及び実施方針」に基づき、廃棄物の分別収集を徹底するとともに、広報活動等による周知・啓発を図り、廃棄物の減量化及びリサイクルに努めた。(参考資料5)

廃棄物管理の充実を図るため、特に取扱いに注意を要する感染性廃棄物について取扱要領の策定準備を行った。今後、さらに実験系廃棄物の取扱要領等を再整備し、廃棄物管理に万全を期することとしている。

上記の実施方針に基づき、廃棄物等の発生量を日々計測し、集計整理した。平成15年度における廃棄物等の発生量は下表のとおりである。(参考資料6)

表3 廃棄物等の発生量

区分 平成14年度 平成15年度 備考
発生量 発生量  
可燃物 77,286 kg 注1) 76,056 kg  
実験廃液 10,019 リットル 14,447 リットル 本構外施設から受入
循環資源
注1)
廃プラスチック類 8,618 kg 18,738 kg  
ペットボトル 699 kg 1,217 kg  
アルミ缶 317 kg 532 kg  
金属くず 9,587 kg 11,705 kg  
機器等 4,890 kg 3,147 kg  
電池類 392 kg 311 kg  
古紙 51,941 kg 42,584 kg  
空き瓶 6,032 kg 5,641 kg  
ガラスくず 1,908 kg 1,930 kg  
合計 注2) 171,689 kg 176,338 kg 対前年度103%
(参考) 研究所職員数 注3) 926 人 1,007 人 対前年度109%

注1. 循環資源は、リサイクル専門の外部業者に全量を処理委託した。
注2. 合計の重量は、実験廃液を1リットル=1kgと仮定して計算した。
注3. 職員数は、通年で勤務している人数を勤務形態等から算定した数による。

3. 化学物質の適正管理

「化学物質のリスク管理に関する基本方針及び実施方針」に基づき、管理台帳システムに基づく化学物質管理を徹底するなど化学物質の合成、購入、保管、使用から廃棄に至るまでの適正な管理を推進した。(参考資料7)

「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下、PRTR法という。)に基づき、ダイオキシン類の環境排出量の届出を行うとともに、同法に基づく届出対象の基準に達しなかった化学物質についても、使用状況に関する所内調査により排出・移動量の見積りを自主的に行った。(参考資料8)

4. グリーン調達の実施

グリーン購入法に基づき、国立環境研究所として策定した「環境物品等の調達の推進を図るための方針」により、環境に配慮した物品及びサービスの調達を行った。(参考資料9)