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2012年9月30日

資源作物由来液状廃棄物のコベネフィット型処理システムの開発(特別研究)
平成21~23年度

国立環境研究所研究プロジェクト報告 SR-100-2012

表紙
SR-100-2012 [2.0MB]

 気候が温暖な東南アジア地域では、資源作物やその副生物を原料としたバイオエタノールの生産が活発化しています。一方、その製造工程から排出される多量の蒸留廃液は、安定化池による処理が施されており、温室効果ガス(メタン)の大気放散と水環境汚染の要因となっています。本研究では、廃液の適切な処理技術開発による温室効果ガスの発生抑制、水質保全、資源循環を目指して、高濃度蒸留廃液の適切メタン発酵処理技術の開発、処理水の循環利用に関する研究をタイの研究機関と連携して実施しました。

 その結果、高負荷対応型のメタン発酵処理技術の開発により、高有機物濃度(40~120gCOD/L)かつメタン発酵阻害物質(硫酸塩、カチオン類)を含む蒸留廃液の安定的な処理、優れたエネルギーの回収(収支比9.5~11,電力基準)、大幅な温室効果ガスの排出削減を達成できる可能性が示されました。また処理システムの処理水を畑地に散布した場合、廃液の安定化池での処理と比較し、メタン排出量の大幅削減と、サトウキビ生育への効果が確認されました。本研究の成果を、開発途上国における廃水処理技術の普及と水環境及び地球環境の保全に役立てていきたいと考えています。

(地域環境研究センター 珠坪 一晃)

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