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2011年12月28日

第8回日韓中三カ国環境研究機関長会合(TPM8)の開催

【研究所行事紹介】

企画部 主席研究企画主幹 清水英幸
企画部 国際室 岩崎一弘・高柳幹矢

 第8回日韓中三カ国環境研究機関長会合(TPM8)が、平成23年11月21日から24日までの4日間にわたり、沖縄県名護市において開催されました。三カ国環境研究機関長会合(TPM)は、日本、韓国、中国における中核的環境研究機関である国立環境研究所(NIES、日本)、国立環境科学院(NIER、韓国)および中国環境科学研究院(CRAES、中国)が、東アジアを中心とする環境問題に対しより緊密に研究協力していくための枠組みとして設けられました。第1回会合(TPM1)が平成16年2月に北京で開催された後、ほぼ毎年各研究機関が主催して標記会合を開催しており、日本ではこれまでに、TPM2を平成16年10月につくばで、またTPM5を平成20年11月に北海道で開催しています。

 TPM8の本会議は、21日に大垣理事長の開会挨拶で始まり、韓国の朴錫淳(PARK Seok Soon)院長および中国の孟俤(MENG Wei)院長による挨拶がありました。何方も平成23年3月11日の東日本大震災とそれに続く福島の原発事故に触れられ、このような災害に起因する北東アジアの環境問題に関しても、今後TPMの枠組みによる3研究機関の協力が重要であると強調されたことは印象的でした。引き続いて、各研究機関のTPM7以降の研究活動の概況が紹介され、NIESからは佐藤理事が各センターの研究活動を含め、第3期中期計画の概要を紹介しました。その後、各機関のトピック的な研究活動が紹介されましたが、NIESからは資源循環・廃棄物研究センターの滝上室長が東日本大震災後の災害廃棄物管理に係わる研究活動を紹介しました。

第8回日韓中三カ国環境研究機関長会合(TPM8)の本会議の様子

 午後からは、TPMの枠組みの下でのこれまでの研究協力のレビューと今後の研究協力に関して討議を行いました。NIESは主催国として、8つの重点協力分野全てについてレビューを行いました。NIERからは淡水汚染と固形廃棄物に関するプロジェクト提案があり、CRAESからは大気汚染および黄砂に係わる研究協力が紹介されました。これらの内容をとりまとめ、環境問題の現状に対処するために、TPMにおける8つの重点協力分野の名称及び内容を、次のように再編することで合意しました:(1)淡水汚染、(2)アジア大気汚染、(3)都市環境・エコシティ、(4)砂塵嵐(黄砂)、(5)化学物質リスク管理、(6)生物多様性保全、(7)固形廃棄物管理、(8)気候変動。さらに、NIESから中根審議役が新しく発足した研究連携部門の活動を紹介するとともに、3研究機関を中心とした国際交流や研究協力に関する様々な意見交換を行いました。そして、共同プロジェクトなどを一層推進するために、ワーキンググループや各分野のフォーカルポイントの相互交流を奨励することが、3研究機関長によって合意されました。翌22日には、本会議におけるこれらの合意事項を内容とした共同コミュニケが作成され、大垣理事長と朴院長、孟院長が確認し署名しました。

3研究機関合意の様子(大垣理事長、朴院長、孟院長)

 TPM2からは特定テーマについての国際ワークショップをTPMの一環として開催しています。今回は「アジア大気汚染と生物多様性保全」というテーマで、11月22日の午前と午後に、一般にも公開して開催しました。NIESからは、大気汚染に関して杉本室長と高見室長が、生物多様性に関して五箇主席研究員、山野主任研究員および大沼研究員が研究成果を発表しました。また、このワークショップには、NIES、NIER、CRAESの関係研究者のみならず、環境省那覇自然環境事務所、沖縄県衛生環境研究所および琉球大学からの研究発表もあり、一般参加者も含めて活発な討論が行われました。

TPM2から「アジア大気汚染と生物多様性保全」というテーマについての国際ワークショップ

 23日と24日には、NIESの「辺戸岬大気・エアロゾル観測ステーション」や、研究協力などNIESも関連する、環境省の「やんばる野生生物保護センター」、「ヤンバルクイナ飼育・繁殖施設」、琉球大学の「熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設」、「風樹館」および「沖縄県衛生環境研究所」などを視察しました。韓国・中国の参加者は、担当研究者らによる施設・設備の紹介や研究成果の説明を真剣に聴きつつ、かなり具体的な質問などを投げかけており、熱心な質疑応答がなされていました。

視察風景

 複雑化するアジア地域での環境保全研究に3研究機関を中心とした研究協力は必須であると考えますが、研究所の首脳や各分野の専門家が一堂に会して侃々諤々の議論を行ったTPM8が、その推進の一助になると確信しています(本会合の詳細は後日国立環境研究所ホームページに掲載されます)。なお、次回の会合(TPM9)は2012年秋に韓国・平昌においてNIERの主催で開催される予定です。

 最後に、TPM8を主催するに当たり、本会議やワークショップの開催あるいは施設視察などには、沖縄県、名護市、琉球大学および環境省の関係者の皆様からも多大なるご協力を頂きました。ここに改めて感謝いたします。

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