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「環境儀」 No.30 河川生態系への人為的影響に関する評価
-よりよい流域環境を未来に残す(平成20年10月発行)

 『環境儀』 第30号では,河川横断構造物の築造,河川改修等が河川生態系に及ぼす影響を取り上げました。人間は様々に川に手を入れ,最大限に川の恵みを享受しようとしてきました。その結果,川はその荒々しさを潜め,生物の棲息域としての多様性が失われつつあります。

 地域の持続性を考える上での重要な要素である流域の健全性を考え,次の世代へどのような河川を引き渡すかを考える時,享受したものと失いつつあるものの両者について思いを馳せることが重要です。本号では,河川への人間の働きかけとしてイメージし易く,その利得と喪失も想定しやすい河川横断構造物 (例えばダム) を例に取りあげました。利得については特に言及せずに,劣化するものは河川生態系とし,魚にとっての川の棲みやすさ,魚類の種数で代表させました。洪水・土砂災害等への安全性確保,社会経済活動を支える用水確保等と合わせて,人間と水を巡る葛藤を考える契機となる内容になっています。

(「環境儀」 第30号ワーキンググループリーダー 村上正吾)