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「第25回地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」報告

上野 隆平

 地方環境研究所(以下,地環研)と国立環境研究所(以下,国環研)との協力関係をより一層深め,発展させることを目的として,「地方環境研究所と国立環境研究所との協力に関する検討会」が平成18年2月23日に国環研において開催された。第25回を迎えた今回は,地環研側から全国環境研協議会(全環研)の長谷川猛会長(東京都環境科学研究所長)をはじめ,副会長,支部長及び常任理事計12名(内代理4名),そして国環研側からは大塚理事長をはじめ幹部職員など13名の出席があった。

 検討会では,まず国環研理事長,全環研会長,それに来賓として迎えた環境省総合環境政策局総務課環境研究技術室の宇仁菅伸介室長,環境調査研修所の齊藤眞次長から挨拶があった。引き続き,最初の議事として,地環研と国環研との連携のあり方について村川昌道主任研究企画官から説明があった。さらに昨年度(第24回)の検討会における全環研からの要望事項のうち4件について,その後1年間の進捗のフォローアップ報告((1)廃棄物最終処分場内での安定化促進実験を本格的に開始した,(2)公的機関に対して正式販売前の環境標準試料の無償配布を継続している,(3)共同研究強化に資するよう交流シンポジウムと他の研究集会を連続して行った,(4)危機発生時の体制整備に関連して事故時等の対応事例集を作成中である)がなされた。その後,全環研からの要望書が全環研会長から国環研理事長に手渡され,3項目の要望事項((1)地環研問の連携強化のための地環研と国環研との共同研究事業,(2)機種間差があるLC/MSのデータベースの構築に関する協力,(3)産学官の連携による環境産業等新産業に繋がる地域研究課題への取組)について,国環研からの回答とそれらに対する率直な意見交換が行われた。続いて,国環研からの委託で作成中の「事故時等の地方環境研究所等における対応事例調査」について,検討会委員である全環研会長から報告が行われ,それに関する意見交換が行われた。最後に,今年度に開始された地環研との共同研究事例として「東京都内PFOS汚染の実態調査」について,国環研の高澤嘉一研究員から報告があり,質疑応答がなされた。このように,本検討会を通して地環研と国環研が相互理解を深めることができたことは,今後の環境研究を共同して発展させて行く上で大きな意義があろう。

 翌日の見学会では,地球温暖化研究棟を始め,大気拡散実験棟,低公害車実験施設,環境生物保存棟やナノ粒子健康影響実験施設を見学して頂いた。

(うえの りゅうへい,前研究企画官)