ユーザー別ナビ |
  • 一般の方
  • 研究関係者の方
  • 環境問題に関心のある方

表彰

受賞者氏名:渡辺正孝・木幡邦男・越川海(所外研究者3名との共同受賞)
受賞年月日:平成13年7月19日
賞の名称:土木学会地球環境委員会「平成12年度地球環境論文賞」
受賞対象:沿岸域炭素沈降フラックスへの細菌生産の寄与:海洋メゾコズムを用いた研究
受賞者からひとこと:
 土木学会地球環境委員会の論文誌「Journal of Global Environment Engineering」に掲載された論文の中で上記論文の成果が評価され,表彰されたものです。本論文は,沿岸環境での炭素循環機構に関する研究のうち沈降粒子の分解・形成過程について検討したもので,とくに沈降粒子形成過程において細菌生産(細菌群による粒子態有機物生成)の寄与が無視できないという知見を得ることができました。この研究では,瀬戸内海に設置した直径5m,水深20mほどの隔離水塊(海洋メゾコズム)に微量の炭素安定同位体トレーサを与え,そのトレーサの動きを長期間追跡調査しました。微量トレーサの高精度な分析とともに,日々刻々と変化する生物群の挙動(生態系遷移)の正確な把握のため,データ解析には大変な時間を要しました。こうした努力とその成果が評価されたことは関係者一同にとって大きな喜びです。なお,この論文は原田茂樹氏(筆頭著者,元国立環境研究所主任研究員,現京都大学),庵谷晃氏(東京水産大),広海十朗氏(日本大学)とともにとりまとめ,共同で受賞したものです。