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国立環境研究所研究報告(R-141-'99)(平成11年2月発行)
「Advanced Remote Sensing Techniques for Monitoring Complex Ecosystems:Spectral Indices, Unmixing, and Classification of Wetlands」

 湿原生態系を保全するためには,まず湿原の状態を正確に把握している必要がある。特に,湿原が過去に人為影響によってどのように変化してきたのか,現在いかなる状態にあるのか知ることが,適切な湿原管理計画を策定するための第一歩である。しかしながら,湿原での現地調査は非常に困難であり,湿原全体の状況を限られた調査地点のデータに基づいて判断しなくてはならないことが多い。そこで,湿原における広域的な変動の監視を実現するためには,航空機・人工衛星リモートセンシング画像の活用が不可欠となっている。本報告書では,リモートセンシング画像を用いた湿原環境監視に関する手法の確立を目的として,スペクトル情報を用いて湿原環境特性を定量的に把握する新たな手法と,それらの手法のさまざまな湿原環境特性把握への応用による有効性の検証についてまとめられている。

(社会環境システム部 山形与志樹)

国立環境研究所研究報告(R-142-'99)(平成11年3月発行)
「瀬戸大橋についてのイメージや関心事の住民意識調査とその分析」

 本報告書では,本州四国連絡橋の中の,児島-坂出ルート(本書ではこのルートのことを瀬戸大橋と呼んでいる)についての住民意識調査の結果について述べられている。本書は研究者向けというよりは,一般の人々にも気軽に読んでもらえるように配慮して執筆された。したがって,調査結果の概要を理解してもらえるように図や表を多く取り入た。調査は平成8年に実施された。調査地域は橋の接岸地を有する岡山県倉敷市の児島地域内と香川県坂出市内である。報告書では,接岸地の近くの住民が開通から約8年半を経過した瀬戸大橋について,どういった意識や関心事を持っているのかが述べられている。この調査では,項目を選択することで回答する形の質問の他に,回答者が思ったことを自由に記述する形で回答する質問も設けている点が特徴である。自由記述回答の結果から,橋の便利さについての関心事が調査地域によって違っていることなど,興味深い結果が述べられている。

(社会環境システム部 須賀伸介)

国立環境研究所研究報告(R-143-'99)(平成11年3月発行) 「大気質成分モニタリングデ-タ集-大気モニター棟測定結果(1996,1997年)-」

 国立環境研究所大気モニター棟で行っている大気質成分モニタリングデータ集第3集である。紫外線(A領域),降雨,気温,気圧,風向風速等気象成分とNOx, SO2, NMHC, SPM, O3等大気質成分に関する1996,1997年度の2年分データが収録されている。NOx, O3等いくつかの成分に関する1990年代の長期変動グラフも付録として収録してある。1970年代に建設が始まり現在周辺人口を含めて20万人弱に成長した,つくば研究学園都市内の大気質変化を表すデータとして第1,2集と同様に,多くの研究者に利用されることを期待する。本データ集はほとんどがグラフで表記されているのだが,内外の研究者からの要望に応じ,データ集収録期間のうち要望部分の時間値データをフロッピーでも提供している。

(地域環境研究グループ 西川雅高)