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環境月間特別講演会報告

その他の報告

鷲田 伸明

 6月6日土曜日、本研究所の環境月間一般公開日にあわせて、例年どおり特別講演会が13:30〜15:30の約2時間大山記念ホールにおいて開催された。本年から土曜日が閉庁日になったことから、主催者側としては客の入りが少なからず気になったが、大山ホールがほぼ一杯になる約180名の聴衆が集まった。本年は東京大学先端科学技術センター教授・村上陽一郎先生と市川惇信所長の2名の講師に講演をお願いした。村上先生は「文明と自然」と題して、いわゆる啓蒙時代以来の人間の理性が自然から文明(=人為化)の分離をひたすら行ってきたこと。現代において必要とされていることは、自然と人為の両者の中に立ち入って両者を統一できる思想と人であること。そして環境研究には正にそのことが必要であるのだということを熱っぽく語られた。市川所長は「環境と人間」と題して、地球環境問題とは正しく人間の都合からみての人間主観の問題であるとの観点から、人間の歴史的行為と地球環境とのかかわり合いについて、システム工学的にいくつかの例をあげながら解説して下さった。両講演とも環境を考えるに当たっての新しい切り口を示すことによって、我々に大いに知的啓発を促すものであった。

 最後に両先生の熱の入った御講演に感謝を述べるとともに、受付・会場を準備して下さった総務部及びセミナー委員の皆様のご協力に深く感謝いたします。

(わしだ のぶあき、前セミナー小委員会委員長、大気圏環境部長)