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2021年3月30日

災害環境研究のこれまでとこれから
~ふくしまで進める地域協働の新展開~

環境儀 No.80

環境儀80号はしがき画像

 2011年3月11日に発生した東日本大震災から10年が過ぎました。原子力災害の被災地となった福島県においても、宅地や農地の除染等による汚染状況の改善によって、避難指示がなされた多くの市町村で解除が進むとともに、交通や住まい等の生活環境に関わるハード面の整備が進められ、復興・再生に向けた動きが年を追うごとに本格化してきています。一方で、避難指示解除後の住民の帰還状況は必ずしも芳しくなく、いまだに4万人近くが避難生活を続けています。また、農林水産業は風評被害を払しょくできない状況にあり、真の復興はまだ道半ばにあります。

 国立環境研究所では、長年にわたり培ってきた環境研究の蓄積をもとに、発災直後から、災害環境研究として、被災地における環境の回復・創生や将来の備えを目的とした災害環境マネジメントに関わる研究に取り組んできました。そして、2016年4月からは福島県三春町に設置された環境創造センターに福島支部を開設しました。災害環境研究をさらに進展するために、環境放射能汚染に関わる様々な課題の解決を図るとともに、自治体と連携した環境復興に関わる取り組みも進めてきました。その中で、研究活動や成果を地域の環境回復や復興により直接的に貢献することを目指して、地域協働のあり方について模索してきました。

 本号では、福島支部発足から5年間、支部を中心に地域協働をキーワードにして進めてきた災害環境研究のこれまでを振り返るとともに、今後のおもな取り組みについて紹介します。

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