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2016年6月30日

「適応」で拓く新時代!
~気候変動による影響に備える~

環境儀 NO.61

気候変動による影響はすでに世界各地に現れており、 将来、さらに深刻になることが懸念されています。 世界では、温室効果ガスを削減する「緩和策」とともに、 気候変動による悪影響を軽減・回避する 「適応策」への取り組みが始まっています。

 気候変動は、世界各地で様々な分野に影響を及ぼしています。例えば、気候変動による降水量や氷雪の融解の変化が地球の水循環に影響を与えており、生物の生息域や季節的活動、その移動パターンなどの変化も報告されています。日本でも、サクラの開花の早まりやイロハカエデの紅葉の遅れ、高山生態系の消失、農作物の品質低下や栽培適地の移動、感染症を媒介する蚊の分布域の北上などが報告されており、将来、影響がさらに拡大することが懸念されています。

 このような気候変動による影響の進行を食い止めるためには、温室効果ガスを削減する「緩和」とともに、気候変動による影響に対処する「適応」が重要なことが認識されるようになってきました。

 私たちは、世界や日本を対象に、将来、気候変動がどの分野にどのような影響を及ぼすかをモデルによって評価する研究(気候変動影響評価研究)を進めてきました。今回は、これまでの影響評価に加え、近年注目され始めた「適応」に関する最新の研究成果を紹介します。

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