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日本低炭素社会シナリオ研究
- 2050年温室効果ガス70%削減への道筋

環境儀 NO.36

藤野純一/芦名秀一/岩渕裕子
2050年の日本の二酸化炭素排出量は70%削減できる。 そのための12の方策と対策費用最小化の道筋を示しました。 同時に、一刻も早い政治主導による目標ビジョンの策定と具体化に向けた第一歩の踏み出しを提言しています。

 地球温暖化による深刻な影響を止めるために、将来気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃までに抑えるためには、2050年までに世界の温室効果ガスの排出量を少なくとも半減させる必要性が高い——これは世界共通の目標となりつつあります。

 しかし、これまで日本には、二酸化炭素排出量を大幅に削減することを目指した長期的な計画は存在しませんでした。

 そこで、国立環境研究所が中心となり、2004年から環境省が所管する地球環境研究総合推進費の戦略的研究開発プロジェクトとして、「脱温暖化2050プロジェクト」を立ち上げました。

 このプロジェクトには、30の大学、研究機関、企業から約60名の学識経験者や研究者が参画し、2004年度から2008年度までの5年間にわたり、日本の中長期脱温暖化対策シナリオの構築に向けて技術、社会イノベーションを総合的に研究しました。

 その研究成果は、2007年以降いくつかの報告書にまとめられて公表されてきました。それによりますと、エネルギー需要の削減と低炭素型燃料への転換、コンパクトな街づくりや省エネ機器の開発と普及などの各種社会・技術イノベーションにより、2050年までに二酸化炭素排出量を1990年比70%削減させた社会を実現することは可能と結論づけています。

 今回は、このプロジェクトチームに参画して、日本の低炭素社会のシナリオづくりにかかわってこられた藤野純一さん、芦名秀一さん、岩渕裕子さんに、2050年70%削減に至った経緯、削減の鍵を握るとされる12の方策、現在から低炭素社会に至る道筋などについてお話をうかがいました。


本研究に関する成果は以下のURLで紹介されています。