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『低濃度有機性排水の無加温メタン発酵処理技術/産業・生活排水の「省」「創」エネルギー処理』技術開発の歩み

 本号で紹介した研究は2003年以降、7年間にわたって技術の高度化に取り組み、現在も継続しています。

2003年

予備実験の結果をもとに、嫌気性生物膜を用いた省・創エネルギー型排水処理技術開発に関する研究提案を平成15年度NEDO産業技術研究助成に申請。採択後の2003年10月から本格的研究を開始。

2004年

グラニュール汚泥床法の適用に着手。適度な有機物負荷と運転期間中の微生物滞留時間の維持により、低水温(10~15℃)、低有機濃度(0.6~0.8gCOD/L)排水の効率的処理の可能性を見い出す。

2005年

低濃度排水のメタン発酵処理において、なぜ微生物の不活性化を招くかの要因を特定。メタン発酵処理水の後段処理法の検討も行い、処理水質確保にも目処をたてる。

2006年

開発技術の優れた菌体保持機能により、低温対応のメタン生成細菌“Methanospirillum”の排水処理利用を可能に。民間プラントメーカーと連携し、NEDO事業「無曝気・省エネルギー型次世代水資源循環技術の開発」を受託。国立環境研究所特別研究「省エネルギー型水・炭素循環処理システムの開発」を開始。

2007年

グラニュール汚泥床の新規運転方法である「間欠処理水循環」を考案。低濃度排水(0.4gCOD/L)の高速(処理時間1~1.5時間)、高効率処理(COD除去率90%以上)を実現し、実用化への道筋をつける。

2008年

民間企業との連携により、精製糖排水の処理試験を開始するなど、技術実用化への具体的検討を開始。環境省事業「クリーン開発メカニズム適用のためのパームオイル廃液(POME)の高効率新規メタン発酵プロセスの創成に関する研究」を開始。

2009年

国立環境研究所特別研究「資源作物由来液状廃棄物のコベネフィット型処理システムの開発」を開始。



この研究は以下の組織・スタッフにより実施されてきました。

研究担当者

  • 水土壌圏環境研究領域 水環境質研究室
    珠坪一晃、冨岡典子、山村茂樹、對馬育夫(現・東京大学)、 Wilasinee Yoochatchaval、窪田恵一
  • アジア自然共生研究グループ アジア水環境研究室
    水落元之

研究協力機関

  • 東北大学、広島大学、長岡技術科学大学、長岡工業高等専門学校、岐阜工業高等専門学校、三井製糖株式会社、 Khon Kaen University(タイ)